内視鏡専門クリニック
胃癌・大腸癌の検査は色々な方法がありますが、当院は内視鏡を専門にしています。最も正確で、患者さんに、一番有益だからです。 次に示すのは当院で見つかった早期癌です。いずれも平坦で、レントゲンでは描出困難な病変です。
早期微小胃癌 平坦型大腸癌

「内視鏡が最も精度が高い」ことに専門家には異論がありません。

では、内視鏡を受ければ常に100%の精度が保証されるのでしょうか?

当院で経験した示唆に富む症例を挙げます

この方は近所の医院で注腸検査(大腸レントゲン検査)でポリープを指摘されました。最初に紹介された高度医療機関(国内トップレベルの病院です)で大腸内視鏡を受けましたが「異常無し」とされました。その後、当院で再検査した処、ポリープが見つかりました。病変は早期癌(グループ4)でした。この方は屈曲の多い腸で透明キャップ(写真で丸い半透明の枠の器具)で腸のヒダをめくるようにしてヒダの裏側を観察する必要がありました。

 

DVD-Rによる全検査録画サービス

上記の例から「当院の観察は完璧」などというつもりはありません。当院でも見落としの危険性は常にあります。

言うまでもなく内視鏡検査で最も大事なのは「観察の精度」です。

しかしながら・・・この部分は患者さんには「わからない部分」で、全て「医師の目」に委ねられます。

ご希望の方にDVD-Rによる全検査の録画を、おこないます。

当院は、これが内視鏡の質を保証する究極の手段と考えます。

検査当日ファイナライズしてにお渡ししますので、一般の家庭用DVDプレイヤーで再生できます。料金は5千円です。

録画の有無にかかわらず、、患者さんには検査中の画面を同時に見ていただいています。「医師が丁寧な観察をしているか」を監視する最良の人物は患者さん自身だからです。
 


観察精度を上げるための機器について・・・
(実は観察精度は、医師の「経験・技術・集中力」で決まり、機器による差は本質的問題ではないのですが)当院では透明CAP、拡大内視鏡、ハイビジョン内視鏡、NBI(特殊光内視鏡)などの機器を使用しています。(詳しくは・・


精度の問題についてより詳しく述べます(ここでは大腸検査について論じます)

録画して残すメリットとして次の点が挙げられます
  1. 録画することで医師の緊張感が維持されます
  2. DVD-Rの所有権は100%患者さんにあります。家族に記念に見せるのも、WEBやブログに公開するのも全て自由です。
  3. もし検査後早期にに大きな病気が見つかった場合に、前回の検査で見落としの原因が「検出が不可能だった病変」だったためか「医師の不注意」によるものなのかが判断できます。これは他の医師に見せてセカンドオピニオンを得れば明白です。
  4. 検査で何も異常が見つからなくても「検査で何か見落としがあったのでは?」という不安に悩む方がいます。神経の過敏な方なのですが、DVD-Rを確認することで安心できます

見落としの頻度はどれ位か?
これは内視鏡専門医にとっても永遠のテーマです。有名人が癌で手術を受けたという報道があると必ず「今まで専門家に検診を受けていたはずなのに」という話題がでます。実は見落としの正確な頻度は専門医を含め、誰にもわかりません。大腸ポリープを切除された方が、その数年後に再検査をするとまたポリープが見つかることが多いのですが、これは新しくできた病変よりも前回検査で見えなかった(見逃された)病変がサイズアップして見えるようになったのが多いだろうと専門家は予想しています。


なぜ「見落とし」が起こるか?

最大の理由は医師の技術の未熟と不注意です。

しかし、それらがゼロでも、次のような「構造的死角」があります

内視鏡の解像度の限界
「平坦型病変」の発見率は内視鏡の解像度で大きく違います



平坦型腫瘍が、どこにあるか判りますか? これです・・色素を散布して
判りやすくしてあります

屈曲・ヒダの裏側の死角
これは「ヒダがたくさんある管状の腸」を「前方視しかできない内視鏡」で観察するためです


内視鏡の先端に透明CAP(フード)を付けてヒダの裏側をめくるように観察したり、内視鏡を反転したりするしか対策はありません。しかし、 これらの手技はやりすぎると腸を刺激し検査後に腹痛の原因になるので「ほどほどにする」のが実情です。

前処置(下剤)の問題
前処置として2リットルの大腸洗浄液が標準ですが、どうしても残便はゼロにはなりません。DVD-R録画は「何が見えたが」を記録すると同時に「どこが見えなかったか」を記録する意味があります


どこまで見つけるべきか?
大腸ポリープ(腺腫)が癌である可能性はサイズに比例します。2cmなら50%が癌です。5ミリ以下では「癌は極めて稀」です。胃にはスキルス癌(未分化癌)という微少でも転移する超悪性癌があるのですが大腸ではこのタイプは「極めて稀」です。
一般的には5ミリ(理想を言うなら3ミリ)以上の腺腫を見落とし無く観察すれば「十分に観察した」と考えるのが専門家の一致した意見です。

どこまで治療するべきか?・・当院はクリーンコロンを目指します
精密観察をおこなえば、多くの微小腺腫が見つかります。これをどこまで治療するか?は意見が分かれます
5ミリ以下の腺腫で癌がみつかることは「稀」です。これは間違いありません
その後の方針が二つに分かれます
(1)癌は「稀」なので切除せずに経過観察(定期的な拡大観察下内視鏡)でいい。
(2)今、癌でなくとも 腺腫は癌化する可能性を持っているから全て切除して「健康な腸=クリーンコロン」を目指すべきだ
・・・・という意見であり「どちらも正論」なのですが当院は、患者さんが「切除を希望しない」場合意外はクリーンコロンを目指すという立場です。理由は、その方が「再検査の間隔」が長くなり、結局は経済的・肉体的負担が小さくなると考えるからです

2〜3ミリの微小腫瘍の例(いずれもグループ4

癌化しないポリープについて
精密観察をおこなえば、多くの微小腺腫と同時に「癌化しない腺腫以外のポリープ(過形成ポリープ・炎症性ポリープ)」も多く見つかります。これらは原則的に切除対象ではありません。しかしながら放置した病変が実は悪性だった・・・ということもあります。DVD-Rの録画はこのような放置病変も正確に記録します

内視鏡所見は「炎症」ですが・・・・
実は悪性(カルチノイド)です

当院で切除した大きな過形成ポリープです。 
・・・実は一部が癌化していました。


私見
内視鏡検診の質は(1)苦痛の無い検査(2)消毒(3)観察の精度・・の3点で決まると考えます。
このうち(1)は患者さんは評価が容易です。しかし(2)と(3)は患者さんには「わからない部分」で、保障は「患者さんの医師への信用」だけでした。しかし私は「合理的な保証システム」が理想と考えます。
(2)に対して当院のステリスシステムでは「消毒内容の保証書」を渡しています。
(3)に対しても「どこまで見て、どの程度の死角があったか」の保証書を渡すのが理想と考えますが内容が複雑で現実的には難しいです。DVD-R録画は保証書の代わりになると考えます。