大腸内視鏡の観察時間と精度の関係を調査した報告



 12人の「平均的な技術を持つ大腸内視鏡の専門医」が調査対象として選ばれました。(文献

この観察時間とは「何も異常なしだった」場合の検査の観察時間です。

医師 A は異常無しでも観察に17分かけていました。そして医師 A は平均1個の腺腫を見つけていました。

しかし5分以下の医師 B は0.1個(患者さん10人で1個)しか腺腫を見つけませんでした。

0分〜17分まで「観察時間と発見率」に直線的な相関関係があるのが解ります。

つまり

「腺腫は、ありませんでした」という医師の説明は観察時間が17分以下なら100%は信用できない」

・・・・・・ということです。


日本の内視鏡のエキスパートの観察時間は平均すると「7分〜12分位」です。

日本の実情を考慮すれば、これは「十分、許容範囲と言える時間」ですが、「理想的な時間」では無い訳です。



ここからが重要!

腺腫を多く発見することは、「大腸癌の見逃し率」と深い関係があります。

両者は、直線的に逆比例し、腺腫発見率が7倍になると癌の見逃しは半分になることが分かっています。(文献

かなり大雑把ですが上の表の縦軸は「腺腫発見率」に置き換えることができますから医師Aの腺腫発見率は医師Bの10倍と仮定していいでしょう。

すると・・・・

「医師Bと比較して観察時間が3倍の医師Aは、大腸癌の見逃し率は3分の1である」
 
と推定できます(かなり大雑把ですが)

これが、上記二つの論文から導かれる重要な最終結論なのです


日本では全く話題になっていませんが、この問題は、米国のマスコミで大きな話題になりましたNewYorkTimesの記事)