合併症、再発率が極めて低いポリープ切除(コールド法)

ポリープ切除に伴う合併症には「出血」と「穿孔(切除した傷が広がり腸壁に穴が開くこと)」があります。特に、頻度が多いのは出血で、切除後、数日してから仕事中、旅行中などに起こるため患者さんの負担が大きくなります。(晩期出血)

なぜポリープ切除の合併症が起こるか?根本的な原因は電気メスで焼き切り「ヤケド」を作るからです。それなら焼かずに「ナマ切り」すれば合併症が起きないのではないか?という「発想の転換」により開発された方法がコールド・ポリペクトミーです。

髭剃りの時に、カミソリで皮膚を切ると、その時は、激しく出血しますが、傷は、速やかに治癒します。化膿したり翌日以降に出血することはありません。しかし火傷は、小さな傷でも、治癒に時間がかかり、保護しないと化膿したり後日、潰瘍になり出血したりします。原理はこれと同じです。



実際の写真です。
「生切り」なので、当然、内視鏡中(切除時)は出血します(患者さんが不安になります)。しかし、出血は数分で止まり、晩期出血は、まずありません。

取り残しを防ぐために、周囲に十分な余裕を持って大きく切除する必要があります(「ジャスト・サイズ」の傷では境界線上に腫瘍細胞が残ります)。そのために独特の「コツ」が必要で従来の方法よりも技術的に難しく時間がかかります。



意外に思われるでしょうが自験例では再発率は従来の電気メスを使用する方法より低いです。これは従来法では穿孔を恐れて十分に焼けない場合があるのに対ししてコールド法では穿孔の危険が無いために「徹底的に大きく・深く切除する」ことができるからです。


コールド法で切除された検体は「目玉焼き」のようになります。「黄身」が病変で、「白み」が周囲の正常組織(余白、マージン)です。
腫瘍の取り残しを防ぐために「白み(余白)の大きな目玉焼き」にすることが、コールド法の最大のポイントであり、技術的に最も難しい部分です。




 サンプル