腺腫発見率(ADR=Adenoma Detection Rate)とは何か?
2005年頃から、実証主義の欧米では内視鏡専門医の「技術レベルの客観的な指標」は何か?が盛んに討論されました。内視鏡の総経験数・偶発症の率・平均検査時間から研究業績・専門医資格、更には医師の視力・集中力まで幅広く検討されました。そして癌化の危険の高いポリープである「腺腫」に限定した発見率が、最も有効な指標であるという結論になりました。更には「腺腫発見率の高い内視鏡」を受けた人ほど大腸癌で死亡する確率が低いことが証明され、世界中の専門医に大きなセンセーションを起こしました。(詳しく

最新のカルテ番号毎に集計した腺腫発見率をカルテ番号と共に公表しています
腺腫発見率の意義は非常に重いものであり、訴訟大国の米国では「腺腫発見率の水増し・偽造・未公表」が問題になっているほどです。当院の最新のカルテ番号の方、100人を母集団にした集計を実際のカルテ番号と共に公表しています。このページは患者さん以外に厚生省や当院が委託している病理検査センターの医師や健康保険組合も自由に、閲覧できますからカルテ番号(=診察券の番号)を公開することで「水増し」があれば直ちに不正が明白になります。 

腺腫発見率がどの位なら精度が高いと言えるのか?
欧米のガイドラインでは「35%以上が必要である」とされています。国内の施設からの報告では35〜40%前後が多いようです。また試験的に検査に長い時間をかけるとでは60%になると米国から報告されています。(文献)。これは「60%の人に前癌病変が見つかる」という意味ですが、もちろんそんなに多くの方が大腸癌になりません。全人口で大腸癌になるのは約5%なので見つかる腺腫のうち、最終的に癌になるのは1割に満たない訳ですから・・・「60%は、見つけすぎである」とも言えます。しかし・・・・どの腺腫が将来、癌化するかを確実に予測することはできないために、「1個でも多く腺腫を発見・治療した方が、大腸癌予防効果が高くなる」という意見が、最近は主流になりつつあります(参考文献)


腺腫発見率   集計元の患者さんの当院でのカルテ番号
 58%  カルテ番号  35000〜35099   実際のカルテ番号と内視鏡写真 
 61%  カルテ番号  32200〜32299  実際のカルテ番号と内視鏡写真
56%   カルテ番号  32100〜32199  実際のカルテ番号 と内視鏡写真
 59%  カルテ番号  32000〜32099  実際のカルテ番号 と内視鏡写真
 58%  カルテ番号  31900〜31999  実際のカルテ番号 と内視鏡写真
 58%  カルテ番号  31800〜31899  実際のカルテ番号 と内視鏡写真
 63%  カルテ番号  31700〜31799  実際のカルテ番号 と内視鏡写真
 55%  カルテ番号  31600〜31699  実際のカルテ番号 と内視鏡写真
 65%  カルテ番号  31500〜31599  実際のカルテ番号 と内視鏡写真
 64%  カルテ番号  31400〜31499  実際のカルテ番号 と内視鏡写真
 65%  カルテ番号  31300〜31399  実際のカルテ番号 と内視鏡写真
 60%  カルテ番号  31200〜31299  実際のカルテ番号 と内視鏡写真
 63%  カルテ番号  31100〜31199  実際のカルテ番号 と内視鏡写真
 60%  カルテ番号  31000〜31099  実際のカルテ番号 と内視鏡写真
 57%  カルテ番号  30900〜30999  実際のカルテ番号 と内視鏡写真
 52%  カルテ番号  30800〜30899  実際のカルテ番号 と内視鏡写真

集計法
 当院での新患の方(=当院で大腸内視鏡が始めての方)だけに限定するために当院の最新のカルテ番号の方、100人を母集団にします(通常、腺腫発見率はこのような方法で集計されます)。これは当院で2ヶ月間に行われる検査の約6分の1です。当院での大腸内視鏡が2度目以降の再診の方は、様々なバイアス(つまり過去に腺腫を切除した方が多い)がかかりますから集計から除外します。そして病理検査で腺腫(Gruoup3〜5)が確定した方のみを集計します。鋸歯状病変については病理報告書で「Serrated Adenoma」「 SSAP(Sessile Serrated Adenoma)」と明記されたものは集計に入れ、「serraated lesion、serraated type」としか書かれてていないものは除外します。