大腸内視鏡には二つのスタイルがあります。

一つは「癌の早期発見」を目的にした物です。大腸癌は発見が容易なので短時間で大量処理が可能です。効率を重視しますので「低リスク病変」を治療対象から除外します。これが、現在の日本で主流のスタイルです。

そして、もう一つは「早期発見」だけでなく「検査後の数年間、大腸癌にならない」ことまで目指すもので、欧米の富裕層が受ける内視鏡のスタイルです。この場合は時間をかけて「低リスク病変」も全て、切除する必要があります(クリーン・コロン)

欧米では大腸癌は激減しましたが日本では、減っていません。戦争と同じで「先制攻撃(ポリープ切除)」が好きな欧米人は闘いに勝ったのですが、専守防衛の日本は負けた訳です。

何故、日本は大腸癌戦争に負けたのか?

「低リスクとされ、今まで日本で放置されていた病変が実は高リスクだった」という医学の過ちが分子生物学により、現在、解明されつつあります。(告発文

ここでは精度保証が付帯した当院の「先制・内視鏡」を紹介します。

はじめに
2016年、国立癌センターは「日本人の10人に一人が大腸癌になる(累積罹患率)」という驚くべき予測を発表しました()。大腸癌は成人病並みに「ありふれた病気」になった訳です。しかし欧米では、大腸癌は減少しており「過去の病気」になろうとしています。減少した最大の理由は「ポリープ切除の普及」であると結論されています。

では何故、欧米より大腸内視鏡が盛んな日本で大腸癌が減らないのでしょう?これは複数の要因があるのですが最近、注目されているのが、「日本の大腸内視鏡の品質は低いのではないか?」という問題です。

高品質な大腸内視鏡が日本に普及していたなら大腸癌はもう撲滅されていた?
何故なら、ポリープの段階で、内視鏡で切除してしまえば、理論的に大腸癌は100%予防できることが証明されているからです(上記告発文参照)


内視鏡検査の1年後に700人に一人に大腸癌が見つかる
 しかし明らかになったことは・・・日本の大腸内視鏡には見落としが多いという現実でした。日本の「トップレベルの医師の検査の1年後に、700人に1人に大腸癌が見つかる」と報告されました()。一方「精密な内視鏡を施行すれば1年後の大腸癌は4万人に1人である」とポーランドより報告されました。


つまり日本の「トップレベルの医師」の見落としが、東欧の60倍も多いのです。なぜか?日本では検査の件数が多すぎるため、流れ作業となり品質が低下しているのです。

 
 大腸内視鏡の見落としの多さを風刺した米国ベンチャー企業の広告

検査の品質保証

以前より、欧米では大腸内視鏡の「品質保証(Quality assurance )」の議論が盛んです。これは「医師が高精度の大腸内視鏡をしてポリープを切除すれば、数年間は大腸癌にならないはずだから、保証をしなければならない」という意味です。しかし、これは難しい問題です。日本では「医師を信頼する」というのが伝統でした。

しかし実証主義の欧米では「数字」が重視されます。最も重視されているのは「腺腫発見率」と「抜去時間」です


「腺腫発見率」で医師の技術レベルが判る。「抜去(=観察)時間」で、どれだけ丁寧な検査がされたかが判る。

腺腫(前癌性ポリープ)を、より多く発見して切除することが大腸癌の予防になります。そのため欧米の大腸内視鏡では、「腺腫発見率」を上げることが最も重視されていますQ&A:「良い大腸内視鏡」とは



腺腫発見率が高い名医でも、観察に時間をかけなければ精度は落ちます。日本の専門病院では、一人の医師が1時間に4〜6人の検査を施行するのが普通で、これが日本の内視鏡が見落としが多い原因と考えられています。 観察時間と見逃し率が、きれいに逆比例することが判っています(

 
  当院の精度保証システム
 
  <1>当院の最近の検査で算出した「腺腫発見率」をTop Pageに定期的に公開しています。

<2>検査枠に30分の時間を当て、観察(=盲腸から肛門までの抜去)時間を記録した写真を検査後に患者さんに渡しています(

      
この情報開示により「腺腫発見率〜%の医師が〜分間、観察した」という具体的な数字で検査の精度が明白となります。

これには
法的に重大な意味があります。見落としが起きた場合に、この二つの情報が弁護士に提供される最も重要な情報(証拠)となるからです。これらが無いと、見落としが起きても患者さん側が医師の過誤を立証するのが困難となるため、多くの医療機関は、この部分を「記録として残しません」。これらを最初に開示することは、医師は常に訴訟リスクを意識した高精度な検査をせざるを得ない、ということを意味します。
     
  <3>更に2018年3月1日より当院の全ての検査に「大腸癌になった場合への補償」が付帯します。内視鏡の結果に応じてランク分けをして下記のように補償額が決まります

 ランク
ポリープの数 
1年以内に
大腸癌 
 2年以内に
大腸癌 
 3年以内に
大腸癌 
 4年以内に
大腸癌 
 5年以内に
大腸癌 
A  0個   3千万円 2千万円   1千万円 500万円   100万円
 B 1〜2個  2千万円  1千万円   500万円  100万円  30万円
 C   ポリープが3〜4個
 1千万円  500万円   100万円  30万円 15万円 
 D  ポリープが5〜9個  500万円  100万円   30万円  15万円 15万円
 E 10個以上 or 初期の癌 or 高度異型
or 10ミリ以上 or 陥凹型
 100万円 30万円   -  -
 永久
E
aFAP,HNPCC、SPS
その他のポリポーシス症候群
 100万円 30万円 ポリープが多発するハイリスク・グループの方です。診断後はポリープの数に関わらず永久的にEとなります。アスピリンの服用を検討してください(詳しく・・・・
 (1)洗浄不良(2)憩室が非常に多い(3)腸が非常に長く屈曲が多い、収縮が強い、癒着が強い(4)大腸手術後・・・・などの理由で「死角がある・観察条件が不良の場合はランクが落ちます。   対策については こちらをお読みください

 このシステムの主旨は「癌が見落とされても金銭で補償されるので安心だ」ということではありません。「医師が、患者さんとリスクを共有することで検査精度を上げる」というのがこのシステムの主旨です。(詳しく・・・・

 この補償を受け取ったら「示談と見なされ損害賠償訴訟を起こせない」という制限は、全くありません。その他、ポリープのカウント法、お支払いの詳しい条件などは、こちらをお読みください。

合併症(出血、穿孔)・再発の少ないポリープ切除

クリーン・コロンにして大腸癌を予防する」といミッションの中心となる技術が合併症が稀なポリープ切除法(コールド法)」です。切除に伴う合併症の危険が大きいならば、小病変を全て切除するクリーン・コロン化は不利益の方が大きくなります。コールド法では、「電気メスを使わない」で、従来法よりも「深く、大きく、切除」します。合併症がほとんどゼロでありながら従来法よりも「再発が少ない」という利点があります(


<参考>私(鈴木)は数年毎に自分の大腸検査を施行しているのですが、最近は全てコールド法で切除しています(動画