ポリープ切除により、その後の大腸癌をゼロにできるか?
その限界を調べるために厚生省の臨床研究「Japan Polyp Study」が行われました。一般の方2767人に、最初の内視鏡でポリープを全て切除し、その1年後に、2度目の内視鏡をします。結果は、4人の方に進行癌が見つかったと報告されました(2767分の4=700人に一人) 。同様の国外の報告もやはり「500〜1000人に一人」という結果でした。

 

 代表的な研究報告  精密な内視鏡を受けた患者さんが、1年後に進行した癌(浸潤癌)が見つかる可能性はどの位か?
日本 Japan Polyp Study   DDW 2014
 1年後の検査で2767人の患者で4人に浸潤癌
700人に一人
米国 National Polyp StudyN Engl J Med. 1993 1000人に一人
Antioxidant Polyp Prevention Study N Engl J Med. 1994 700人に一人
Calcium Polyp Prevention Study N Engl J Med. 1999 450人に一人
Polyp Prevention Trial Study N Engl J Med. 2000 700人に一人
Wheat Bran Fiber study N Engl J Med. 2000 550人に一人
Veterans Affairs Cooperative Study N Engl J Med. 2000   500人に一人
Aspirin Folate Trial7 N Engl J Med. 2003 500人に一人
Ursodeoxycholic Acid study J Natl Cancer Inst. 2005 500人に一人
過去のデータをメタ解析した2014年のGUT誌 1.1万人を調べた2017年のLANCET誌の報告では、「計算上(per person-years)」は、およそ600人に一人となっています

逸話)精度問題のきっかけは、サプリメントだった


以前は大腸内視鏡の品質管理という概念はありませんでした。「検査に時間をかけずに、多くの患者さんの検査を処理するべきである」というのが常識でした。

ところが・・・・
 
米国で「サプリメントの癌予防効果」を調べる試験が行われました(上記)。ポリープを切除し、サプリメントを服用して1年後のポリープの再発率を調べるという研究です。ほとんどのサプリメントは「効果無し」でした。

試験には「副産物」がありました。1年後に内視鏡を施行すると(サプリメントを服用した人も偽薬を服用した人も)、かなりの割合で進行癌が見つかることが解ったのです。

1年後で700分の1なら、10年後はどうなるか?

残念ながらJapan Polyp Studyでは長期予後の結果は公表されていませんが欧米からは公表されています。そこで明らかになっていることは・・

定期的に内視鏡を受けても発生率は直線的に累積し、大腸癌死亡率は内視鏡を全く受けない人の半分。つまり半分に減ったが、半分は救命されなかった、という事実です。



文献 N Engl J Med 1993



文献 N Engl J Med 2012
 


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