PCCRCを調べた厚生省の「Japan Polyp Study」
 


 内視鏡後・大腸癌(PCCRC)の研究報告  内視鏡を受けた患者さんが
1年後に浸潤癌が見つかる頻度
日本 Japan Polyp Study   DDW 2014
700人に一人
 日本 都内の自由診療クリニックの公表値 2019
 524人に一人
米国 National Polyp StudyN Engl J Med. 1993 1000人に一人
Antioxidant Polyp Prevention Study N Engl J Med. 1994 700人に一人
Calcium Polyp Prevention Study N Engl J Med. 1999 450人に一人
Polyp Prevention Trial Study N Engl J Med. 2000 700人に一人
Wheat Bran Fiber study N Engl J Med. 2000 550人に一人
Veterans Affairs Cooperative Study N Engl J Med. 2000   500人に一人
Aspirin Folate Trial7 N Engl J Med. 2003 500人に一人
Ursodeoxycholic Acid study J Natl Cancer Inst. 2005 500人に一人
 2014年のGUT 2017年のLANCETのメタ解析  600人に一人

1993年〜2019年で実に26年を経ていますが、大差は無く、実は内視鏡が進歩していないことが判ります。
拡大内視鏡などの機器の進歩、麻酔を使用した安楽な内視鏡の普及など内視鏡は大きく進化しているように見えます。しかし最も客観的でCriticalな数字である「PCCRCの発生率」が改善しなければ、人間の思い込みに過ぎない訳です。

日本は世界的にも大腸内視鏡が盛んで「日本の内視鏡は世界一」と言われます。では、なぜ日本の大腸癌死亡が減らないのか?この根本的な問題を検証すべき時期に来ていると私は考えます。

<よくある質問>
内視鏡後の大腸癌の原因はポリープの見落としなのですか?
2018年、WEO(世界内視鏡学会)は、「検査後4年以内の大腸癌の原因はポリープの見落としである」という声明を発表しました(資料
かって日本では、「通常型大腸癌がポリープを経ないで正常粘膜から発生する(De novoメイン・ルート仮説)」という意見がありましたが、本声明はこの独説を明確に否定しました