なぜ、ポーランドの医師は大腸癌の見落としが日米より少ないのか?

センセーショナルな内容に驚いた方が多いと思います。

下の図が、ポーランドの論文に掲載されているものです。ポーランドでも大部分の医師は「それなりの見落とし率」なのですが、ごく一部の医師の見落としは「ほとんどゼロ」なのです。



               


ポーランドの医療レベルは決して高くは無く、機器も日本では考えられない旧式のものばかりです。どうして「見落としゼロ」が可能なのでしょう?

この論文の著者が最も主張していることは、検査の精度を決めるのは「医師の技術や機器の性能」ではなく「どれだけ丁寧な観察をしたか」であるということなのです。


日米では、実に多くの方が大腸内視鏡を希望します。その結果、専門医は多くの患者さんを、処理しなければなりません。

その結果、まるで競争のように「検査の早さ、検数の多さ、処理能力の高さ」を競う状況になっています。

しかし、ポーランドでは、そこまで内視鏡が普及していません。まだまだ国民全員に内視鏡を広く施行するという体制ではなく、内視鏡は「特権階級のための特別な検査」なのです。

このように考えると、おそらく世界最高の内視鏡を受けているのは隣国の独裁者でしょう。医師は「見落とし=銃殺」という命令を受けているはずですから・・・・

この報告は世界中の大腸内視鏡の専門家に強い衝撃を与えました。

賛否両論のある課題なのですが、この報告は、大量生産主義になっている日米の専門医に「大腸検査の品質管理を再検討すべきである」と警鐘をならしているとも言えます。
   
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