当院の精度保証システムは「医師側の努力」を強制することが主旨です。しかし高精度の検査を成功させるには、それだけでは不十分であり患者さん側の学習・工夫・努力も不可欠です。患者さんにとって最も重要な部分は前ページの「補償額・表」ではなくこのページです。

状況  検査の精度が大きく落ちる理由  考えられる対策 
洗浄不良   便や粘液で平坦な病変が隠れます  
 憩室が非常に多い 憩室の中の病変は観察不可能です
腸管が硬く、拡張不良となります
憩室のため洗浄が不良になります
 残念ながら確実に死角をゼロにする方法はありません。
死角を無くそうと無理に頑張ると・・・・検査後に憩室炎を起こします
 腸が非常に長く屈曲が多い、癒着が強く拡張不良  限られた時間で「襞の裏側」「屈曲部の裏側」を観察するのが困難です。
腸の 収縮が強い  収縮すると襞の間が死角になります
 大腸の手術を受けたことがある 吻合部は複雑な形状になっているために死角ができやすいです。癒着の為に不自然な屈曲ができます。 残念ながら確実に死角をゼロにする方法はありません
ポリープが多すぎて、全てを切除 できなかった 早めに、次の検査を受けて下さい。次の内視鏡でポリープを完全に切除(クリーンコロン化)しましたら、 保証の対象となります。
「ハイ・リスク」と宣告された   特殊な病態(a-FAP,HNPCC,SPS)が考えられる場合に、このような宣告をおこないます。このような方に対して「アスピリンの予防服用」が最近、米国で検討されています。こちらを、お読みください


 実際には1割前後の方が、何らかの理由で「観察条件不良」となります。そのような方に医師が「観察の難しい腸です」と警告をすることに意義があると考えます。そのような警告を受けた方はどうすべきか?

ポリープが少ない(=大腸癌のリスクが低い)方は、必要以上に気にしても仕方が無いと妥協して便潜血検査を毎年必ず受けるだけにするというのも合理的な選択です。リスクの低い方が大腸検診だけに過剰な投資をするのはナンセンスです。

しかしポリープが多い(=大腸癌のリスクが高い)方は、「CTコロノグラフィーを併用する」「次の内視鏡検査を早めに受ける」なども検討すべきでしょう。