ブスコパンの追加投与について
「腸の収縮は内視鏡観察の最大の敵」です。収縮が強いと「大きなヒダ」ができて、ヒダの陰が死角になります
死角を無くす「最強の守り神」がブスコパンです。腸の収縮を止めるブスコパンの使用の有無で大腸内視鏡の見落としが大きく異なるという報告が多数あります。
しかし・・・・これは、下痢気味の人(=腸の動きが活発な人)に多いのですが、通常通り、ブスコパンを注射しても、数分すると腸が収縮する方がいます。
この場合は、死角を無くすためにブスコパンを追加投与するための「2度目の注射」が必要になります。この点を御了解下さい。
死角を無くすためにブスコパンを十分に多く使いたいところですが、限界があります。
ブスコパンの副作用に以下のようなものがあるからです
- 「口喝(喉の渇き)」・・・・大抵は、我慢できる範囲ですが、ひどい場合は言ってください。水をお持ちします
- 「尿閉」・・・・・・前立腺肥大の方に起きます。検査前に排尿して膀胱を空にしておくことで防げます
- 「眼圧上昇」・・・・・・閉塞性の緑内障の方に起きます。緑内障の方は眼科の先生に閉塞性か開放性か(ブスコパン使用可か?)を確認しておいて下さい
- 「頻脈発作(PAT)」・・・・過去に頻脈発作を起こした経験のある方は要注意です
状況を見ながら、慎重に追加投与をしていく訳ですが安全な範囲で投与すると、下痢気味の人(=腸の動きが活発な人)は、どうしても「収縮(ヒダ)による死角」をゼロにはできません。