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慢性胃炎て何?

 

飲みすぎた後に胃が痛くなるのは「急性胃炎」です。
これは粘膜が強い刺激にさらされてできる「自業自得」の病気です。

俗に神経性胃炎、ストレス性胃炎、・・・などといわれているものは「急性胃炎」です。

似ていますが、・・・
これとは全くことなるもので特別何もしていないのに、胃に炎症がいつもあるのが「慢性胃炎」です

慢性胃炎は初期は「表層性胃炎」といいます。この時、粘膜は赤く充血しています。

表層性胃炎が何年も続くと「萎縮性胃炎」に変わります。この時、粘膜は薄くザラザラになっています。

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急性胃炎とは?
ストレス、薬(特に解熱鎮痛剤)、暴飲暴食、コーヒー、香辛料などの強い刺激が原因で胃の粘膜が傷つくのが急性胃炎です。はなはだしい場合は急性胃潰瘍となり激しい腹痛、吐血などのため入院が必要になります。しかし、基本的には一時的な現象です。胃の粘膜は非常に再生能力が高く、数日で傷は修復されます。

慢性胃炎とは?
急性胃炎とは異なり原因がなくても自然に進行する胃炎です。急性胃炎のような強い症状はないのですが、あたかも「持病」のように一度、なると治ることなくゆっくりと何十年にもわたって進行します。原因は患者さんの不摂生ではなくて・・・・ピロリ菌の持続感染です。

胃炎の無い正常な胃粘膜(ピロリ菌陰性) 慢性胃炎の方の胃粘膜(ピロリ菌陽性)

 

ピロリ菌とは?
長い間胃の中には細菌はいないと信じられていました。しかし、1980年代にオーストラリアでピロリ菌がしっかり胃の中で生息していることが発見されました。
4〜8本の毛がはえています。この毛がヘリコプターのように回ることから「ヘリコバクター」と名づけられました。

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裏話
胃の中は強力な酸性のため、食物とともに口から入った雑菌は、全て胃で死滅する、胃の中は無菌であると信じられてきました。慢性胃炎も細菌感染ではなく、胃酸過多が原因と考えられてきました。昔も胃炎が細菌感染によるものという説は、一部にはありましたが異端視されていました。日本は、先進国の中で最も胃癌が多く、胃カメラの研究・臨床で世界をリードする立場にありましたが、日本の医学者は、固定観念の呪縛からピロリ菌を発見できませんでした。オーストラリアでピロリ菌が発見された後も日本の医学者の反応は冷ややかなものでした。現在も欧米に比べると、日本は除菌が遅れています(例えば欧米は進行した慢性胃炎も除菌対象ですが、日本では、対象ではありません)が・・・・理由の一つに日本の専門家の「嫉妬」があることも否めません。

急性胃炎は慢性胃炎に変わる?
YESともNOともいえます。ストレス、暴飲暴食等による急性胃炎が慢性になることはありません。慢性化はピロリ感染の時だけです。
一方、ピロリ菌に初感染した時にも急性胃炎の症状を起こします。
しかし初慢性化するのは幼児期が主で、成人の時の初感染は慢性化しにくいといわれています。

慢性胃炎の分類
いくつかの分類法がありますが、実質的には初期段階の活動性炎症のある時期(表層性胃炎)と、後期の、活動性炎症の無い時期(萎縮性胃炎)にわけるのが単純明快です。

表層性胃炎とは?
いわば急性期、活動期にある胃炎です。顕微鏡でみると好中球(急性炎症をおこす細胞)が粘膜内にたくさんいます。ピロリ菌感染に対して人体の免疫系が活発に防御反応を起こしている時期です。

萎縮性胃炎とは?
表層性胃炎が「炎症の火が燃えた状態」にたとえるなら萎縮性胃炎は「燃え尽きた後」にたとえられます。細胞が分裂する活力を失い、細胞数が減少します。粘膜がうすく脆弱になります。

腸上皮化生とは?
萎縮性胃炎が更に進むと細胞が変性します。メカニズムは不明なのですが胃の細胞があたかも腸の細胞のような性質に変わります(腸上皮化生)。この状態になった方は胃癌の危険性が高く、毎年、胃カメラを欠かすべきではありません。

胃上皮化生とは?
逆に十二指腸粘膜が強い胃酸にさらされて胃の細胞のような性質に変わります(胃上皮化生)。これは十二指腸潰瘍と深い関係があります。(癌とは関係ありません)

 

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