大腸癌の最も重要な原因は遺伝ですが生活因子も非常に重要です

アフリカの貧困国の痩せた人たちは大腸癌が「極めて稀」ですが、米国に住み肥満になった黒人は「世界一、大腸癌発生率が高い」という示唆に富むデータがあります

1:煙草を止める(特にSPS症候群は喫煙が大きな原因になります 文献

2:脂肪の多い牛肉を避ける。一方、脂肪の少ない鶏肉や魚は大腸癌のリスクにはなりません。またベーコン、ソーセージ、サラミ、ハムなどの加工・保存肉は発癌性がさらに高くなります。

3:運動をして内臓脂肪を減らす(あまり知られていないのですが、実は肥満は大きな大腸癌の危険因子です)

4:過度のお酒を控える(タバコに比べると危険性は小さいです)

大気汚染、排気ガス、農薬、化学工業などの危険は「タバコと栄養過剰」に比較すれば無視できるレベル、というのが科学の出した最終結論です(The Cell 第6版 p1128)
 「ポリープが多い」=「大腸だけの問題ではなく全身が癌体質である」=「発癌物質に対して感受性が高い」という発想が重要です。これは「絶対にそうだ」という訳ではありませんが、「重大な警告」として受け止めるべきです。(医学的にはゲノムの不安定性と呼ばれます)例えば1本のタバコの発癌リスクは、ポリープが無い方よりもポリープの多い方の方がはるかに大きいと予測できます。
乳製品について
チーズ、ヨーグルトなどの乳製品は大腸癌に「予防的」という報告が多いです(2019年文献)。一方「乳製品は大腸癌の原因になる」と主張するノーベル賞を受賞した発癌ウイルスの専門家もいます。乳製品が癌を増やすか抑制するか?は特に乳癌で論争になっている点なのですが、大腸癌でも見解が分かれています。

サプリメントについて

報告により効果が分かれる物が多いです。ブラックボックスであり、基本的にはお勧めしません。例えば、カルシウム剤、ビタミンDは、以前は大腸癌を減らす効果があるという報告があったのですが、最近はSPS症候群を悪化させるという逆の報告もありました。唯一の例外はアスピリンです。これについては「効果がある」という報告が集積しており、「大腸癌予防効果は確実にある」と断言できます。

コーヒー
以前から予防効果がありそうという報告があります。2018年 国立がん研究センターが「女性は、コーヒー飲用が結腸がんリスクの低下と関連している」と報告しています。

メトホルミン
糖尿病の治療薬です。アスピリンと同等の大腸ポリープ抑制効果があると2016年横浜市立大学が報告しています。メトホルミンの癌予防効果はアスピリンに比べると研究の歴史が浅いのですが、アスピリンと同様に様々な癌の予防効果がありそうということで最近、世界中で精力的に研究されています。研究が進行中の分野ですが糖尿病で通院中の方で大腸ポリープが多発している方はメトホルミンの服用を、かかりつけの先生と相談する意義はあると言えます。現在、欧州で「アスピリンとメトホルミンの併用による大腸癌・ポリープ予防効果を調べるという臨床試験が進行中です(2018年ASAMET試験

加工食品・食品添加物
大腸癌との関係が最近、注目されています。こちらを、お読みください。

腸内細菌
腸内細菌が大腸癌の発生に重要な意味をもつことは間違いありません。現在、世界中で最も研究されているのは「フゾバクテリア菌」という歯周病の原因菌です。将来は「フゾバクテリア菌を除菌して大腸癌を予防しよう」という方向になると予想されています。しかし、いわゆる「善玉菌・乳酸菌製剤による大腸癌予防効果」は「確認できない」というのが最終的な結論です
 乳酸菌、ビフィズス菌の服用に大腸癌予防効果はあるか?
 乳酸菌とビフィズス菌が「大腸癌細胞を死滅させた」という報告は多数ありますが、その多くは「培養細胞」または「マウスを使った発癌実験」でのデータで実際に人が乳酸菌やビフィズス菌を長期に服用することで大腸癌発生が減少するかを調べた臨床比較研究は非常に少なく、以下の3つしかありません。2019年のNatureのReviewでは「乳酸菌とビフィズス菌の服用に大腸癌予防効果があるという主張はPreliminaryである」と結論しています。

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以下の物は「予防効果」もなければ「危険因子」でも無いです。期待するべきでもないし、特に気にする必要もありません
便秘症 下剤の長期服用 下痢症  腸管洗浄