ここでは大腸癌のリスクを下げる日常の注意をまとめます。ハイ・リスクの方は、一般の方以上に、これらの危険因子に注意すべきです。

1:過度のお酒を控える。

2:脂肪の多い牛肉を避ける。霜降りの和牛は最も危険です。一方、脂肪の少ない鶏肉や魚は大腸癌のリスクにはなりません。またベーコン、ソーセージ、サラミ、ハムなどの加工・保存肉は発癌性がさらに高くなります。

3:運動をして内臓脂肪を減らす(あまり知られていないのですが、実は肥満は大きな大腸癌の危険因子です)

4:煙草を止める(特にSPS症候群は喫煙が大きな原因になります 文献
 「ポリープが多い」=「大腸だけの問題ではなく全身が癌体質である」=「発癌物質に対して感受性が高い」という発想が重要です。これは「絶対にそうだ」という訳ではありませんが、「重大な警告」として受け止めるべきです。(医学的にはゲノムの不安定性と呼ばれます)例えば1本のタバコの発癌リスクは、ポリープが無い方よりもポリープの多い方の方がはるかに大きいと予測できます。

サプリメントについて
報告により効果が分かれる物が多いです。ブラックボックスであり、基本的にはお勧めしません。例えば、カルシウム剤、ビタミンDは、以前は大腸癌を減らす効果があるという報告があったのですが、最近はSPS症候群を悪化させるという逆の報告もありました。唯一の例外はアスピリンです。これについては「効果がある」という報告が集積しており、「大腸癌予防効果は確実にある」と断言できます。

コーヒー
以前から予防効果がありそうという報告があります。2018年 国立がん研究センターが「女性は、コーヒー飲用が結腸がんリスクの低下と関連している」と報告しています。

メトホルミン
糖尿病の治療薬です。アスピリンと同等の大腸ポリープ抑制効果があると2016年横浜市立大学が報告しています。メトホルミンの癌予防効果はアスピリンに比べると研究の歴史が浅いのですが、アスピリンと同様に様々な癌の予防効果がありそうということで最近、世界中で精力的に研究されています。研究が進行中の分野ですが糖尿病で通院中の方で大腸ポリープが多発している方はメトホルミンの服用を、かかりつけの先生と相談する意義はあると言えます。

腸内細菌
腸内細菌が大腸癌の発生に重要な意味をもつことは間違いありません。現在、世界中で最も研究されているのは「フゾバクテリア菌」という歯周病の原因菌です。将来は「フゾバクテリア菌を除菌して大腸癌を予防しよう」という方向になると予想されています。しかし、いわゆる「善玉菌・乳酸菌製剤による大腸癌予防効果」などは「ほとんど無い」というのが最終的な結論です(相反する報告が過去に多数あるのですが・・)

以下の物は「予防効果」もなければ「危険因子」でも無いです。期待するべきでもないし、特に気にする必要もありません
便秘症 下剤の長期服用 下痢症  腸管洗浄