自由診療による除菌について
厳密には保険診療をおこなう通常の医療機関が、自費診療(自由診療、保険外診療)をおこなうのは「混合診療」といいまして「違法行為」とされています。ただ、医学的に正しい治療については、医師の判断にゆだねられ黙認されるのが実情です。ピロリ菌の除菌は潰瘍患者さんの除菌が保険適応になる前から、広く混合診療で行われてきました。問題は価格と副作用です。
自由診療の料金は医師が自由に決めてよいため、施設ごとに異なります。除菌薬の納入価格(原価)は6〜7千円です(例 ランサップ400は1シート897円x7日分=6279円)これに「処方、服薬の指導料、診察料(=医師の利益)」が、上乗せされます。医師が自由に決められるといっても、やはり「良識の範囲」があります。相場は1万円〜5万円です。5万円以上の料金は、どうかと思います
除菌の副作用で重篤なものは稀ですが、万一の場合、自由診療では、患者さんは製薬会社に対して損害賠償を請求することはできません。患者さんはこの点を了解しておくべきです(これはサプリメントと同じです。全て患者さんの自己責任になります)
自由診療とは逆に胃の炎症を強引に潰瘍と診断して保険で除菌するという医師もいます。しかし、これはりっぱな「不正行為(保険費の不正請求)」です。お勧めはできません。