観察(抜去)時間の大幅延長
大腸内視鏡の死角の最大原因は「腸のヒダ、屈曲部の陰に病変が隠れる」ことです。
電子技術の進歩によりカメラの解像度が上がり、特殊光観察(NBI)や人工知能(AI)による診断補助などの技術革新が進みました。
しかし腸のヒダ、屈曲部の陰を見るための内視鏡操作は70年前(内視鏡開発時)から全く進歩していません。つまり死角は70年前(内視鏡開発時)から全く変わっていないという意味です。
死角を無くすには体位変換やスコープの往復を駆使して、腸を十分に伸展する作業(Optimal Distention)が必要であり、これはどうしても時間をかける必要があります。
実際に、「抜去時間(=観察時間)」は、大腸内視鏡の「重要な精度の指標」になります。(下図 文献)