ASAMETは、大腸癌予防の切り札になるか?policy&FAQ

現在、大腸癌予防効果が確実なのはアスピリン(詳細)とメトホルミン(糖尿病治療薬)です。両者とも「副作用が少なく、価格も廉価」で「予防目的服用」に適してます。

現在、アスピリン(ASA)とメトホルミン(MET)の併用(=ASAMET)の臨床試験が進行中です

ASAMETは大腸癌だけではなく、他の多くの「先進国型の病気」を予防する可能性があり、その結果は注目されています(2019年 横浜市大レビュー

ASAMETの臨床試験の発表は未だですが、培養細胞の研究でASAとMET併用に相乗効果があるという複数の報告が既にあります。
2014年 米国の報告
2013年 英国の報告
2018年 イタリアの報告
2020年のイタリアの報告


アスピリンとメトホルミンの作用機序
一般に「異なる作用機序の薬剤の併用」が、相乗効果があります。アスピリンとメトホルミンの機序は、下図の「仮説」が有力で、一部、重複していますがメイン・ターゲットは別と予想されています。


更に3剤併用(カクテル)の可能性は
3剤併用のポリープ予防効果を調べた臨床試験はありません。過去の報告からの予測を述べます。

ASAMET+カルシウム剤(ビタミンD
カルシウム、ビタミンD不足気味の人(骨粗鬆症の方、日光にあまり当たらない方)は「非常に有望」かもしれません。(2020年レビュー
ASAMET+EPA
「出血し易くなる」という副作用が大きくなります。動脈硬化のリスクが高い方には有益かもしれませんが、そうでない方には不利益の方が高いと思われます。2019年Nature
ASAMET+スタチン
コレステロールが高い方が大腸癌予防にスタチンを服用する意義はあるかもしれません。2005年NEJM
ASAMET+タミフル
将来、副作用の少ない廉価なNeuraminidase-1阻害剤が登場すれば、ポリープ予防を目的に使われる可能性はあります2020年の報告
ASAMET+プロバイオティクス
詳しくは「腸内細菌と大腸癌」に記載しましたが、まだ先の話ですが、ASAMET+ホルデマネラ菌+「腫瘍免疫強化11株カクテル」は「大腸癌予防の王道」となる可能性があると予想します。