木を見て森を見ない内視鏡」から「大腸から全身を診る内視鏡」へ・・・

内視鏡の専門医は「職人タイプ」が多く「木を見て森を見ない」という癖があります

例えば3cmのSSAPを内視鏡で完全に切除する場合を考えます(下記写真)



「こんな大きな病変を外来で安全に切除するなんて凄いでしょ」と内視鏡医は自分の技術に酔うものです。

しかし、内視鏡の技術は所詮は手先が器用なら誰でもできるものです。

この病変を切除しただけでは、この患者さんの命を助けた事にはなりません。

SSAPの発生には喫煙が深く関係しています。また、大きなSSAPを発症した方はベースにSPS症候群が隠れている場合があり、この場合は「大腸以外の癌の危険性も高い」ことが解っています。

「禁煙を指導し」「他の部位を見てSPS症候群かを判定して」「必要なら他の癌検診も勧める」ことまでして、初めて患者さんの命を助けた事になる訳です。