ベテラン看護師、AIによる観察のダブルチェック
「医師の一瞬の集中力低下」による見落としを防ぐために、モニターを医師と2人の看護師が同時に見ること(計、3人の目でチェックする)は有効と言われており、当院でも積極的に導入しています。
このような安全装置は「自動車の自動ブレーキ」のような物です。
実際に、この「安全装置が役に立った」という経験は皆無であり、これで精度が上がることは、通常はありません。
しかし使うことは無くとも念のために「安全装置」を装着するというのは「自動車の自動ブレーキ」と同じ考えに基づいています。
医師プラス看護師2人=計3人の目でモニターを監視します。当院で発見される平坦な病変を看護師たちは日々、目視していますから高い検出能力が身についています。
文献
将来的にはAIが、ベテラン看護師に代わると予想されますが、現時点ではAIに十分な性能は無く、看護師によるダブルチェックの方が有効です。
例えば2019年の論文ではAI補助大腸内視鏡の腺腫発見率は29%でした。これは内視鏡後・大腸癌予防には全然足りない成績です(参考資料)。
しかし、性能の向上したAIがベテラン看護師の代わりになる可能性はあります(現状を見ると相当な技術革新が必要と予想しますが)
上段は通常の内視鏡。下段はAIがポリープを緑色で指摘した写真(これですと看護師の検出能力より遥かに劣ります)
文献