当院の内視鏡の強化消毒法
安全基準は国により異なり、米国のFDA基準は世界で最も厳しいものです。当院の「強化消毒」はFDA基準よりも強力で、洗浄機(オリンパス社製・OER)の「設定の限界」の消毒法です。
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超音波洗浄(4) |
過酢酸消毒(5) |
全行程 |
日本の標準(1) |
1分 |
5分 |
17分 |
米国(FDA基準)(2) |
3分 |
7分 |
26分 |
当院の
強化消毒(3) |
10分 |
10分
(完全滅菌) |
31分 |
- 日本の学会ガイドライン。検査件数の多い日本では「時短」の要求が強く、ガイドラインは「最低必要ライン」になっています。
- 米国・FDA基準は最悪の条件下でのシミュレーション試験によるものです
- 当院は2005年から「FDA基準プラスアルファ」を「当院独自の強化消毒法」 としてきました。当初は米国がフタラール12分(日本は5分)、当院はフタラール15分でした。
- 精密機械の内視鏡には微小なDead Spaceが多く十分な超音波洗浄が重要です。
- 内視鏡の消毒剤には他にフタラール、グルタール、強酸性水などがありますが過酢酸が最も強力で高コストです(広く普及している強酸性水は最も時短で消毒力が弱く低コストです)。過酢酸は10分で滅菌(=全ての病原体が死滅、オートクレーブと同じレベル)になります(⇒メーカーHP)。軟性内視鏡で滅菌が達成できる消毒剤は「過酢酸10分」だけです。このシステムはスコープへのダメージも大きく、当院はスコープの維持・修理費が非常に高額になっています。
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消毒内容の公開には「消毒の保証」という意味もあります。看護師は消毒に責任を負うので虚偽があれば内部告発をするからです。 |
処置具(ポリープ切除器具)について
局注針、鉗子、スネア等のポリープ切除器具は「全て新品使い捨て」としています。
処置具とはポリープ切除を、おこなう器具です。これらは粘膜を傷つけますからメスや注射針と同じです。昔、資源が乏しかった頃、日本でも注射針やメスが消毒後再使用されていましたが今日では「使い捨て」が標準です。内視鏡処置具も「新品使い捨て」が、より安全なのは確かですが、ここでも「高コスト」が最大の問題になります(実際、処置具の使いまわしが原因とされる感染事故は多く報告されています) |
【最高級の内視鏡】
内視鏡の「高級」とは院内を華美にし接客サービスをすることではありません。「精度と消毒」に時間とコストをかけることです。
●よくある質問「検査前に感染症の血液検査は必要ないのですか?」
<プリオン対策>神経変性疾患の方は予約をお受けできません
アルツファイマー病の方の予約制限について
この制限は2005年より続いており、当院独自の方針=プリオン対策によるものです。
パーキンソン病・その他の神経変性疾患の方の予約制限について
2024年より新たにパーキンソン病の方・その他の神経変性疾患の方も予約制限の対象として拡大します(⇒詳細)
●日本でこのような制限をしているのは当院だけで、他の医療機関では、制限は全く、ありません