弱い中レベル消毒薬であるアルコールを併用する意味は?内視鏡のゴム部分を傷めるだけで無意味では?
これはM.chelonaeの教訓からです
M.chelonaeは細胞膜の脂質が豊富なため、親水性のグルタールアルデヒドは細胞膜を通過して菌内部に侵入できないことからグルタールアルデヒド抵抗性です。
しかし、脂肪に富む細胞膜がアルコールで容易に溶解されるからアルコールで消毒されます。
このことからガイドラインでも「グルタールアルデヒド消毒はアルコール併用が望ましい」と記述されています
新しい消毒薬であるフタラールも過酢酸もM.chelonaeに有効です。
しかし、M.chelonaeよりも更に脂肪が豊富な細菌の場合、やはりもう一度「フタラールも過酢酸も無効で、アルコールのみが有効」となる可能性があります。
フタラールも過酢酸も全て水溶性の消毒薬だからです。「古くて安い親油性(両極媒性)消毒薬であるアルコール」の意義は侮れないと考えています。