ステリスシステムの費用の内訳

内視鏡の消毒・感染防御の問題を考えるときに「コスト」の問題は避けて通れません

外科手術では、消毒のコストは、問題になりません。

これは、ステンレス製の外科手術器具はオートクレーブ可能なので消毒のコストがかかりませんが、オートクレーブ不可能な精密機械の内視鏡の消毒は、高価な消毒薬を使わなければならないからです。

完璧な、内視鏡の消毒にはどれくらいコストがかかるのでしょうか?これは(1)効果が落ちないように頻繁に交換した場合の消毒液の実費(2)酵素洗剤の実費(3)自動洗浄機の減価償却費(3)消毒により内視鏡が傷むことによるメインテナンス費・・・などの合計になります(実は一般に考えられているより、はるかにコストが、かかります)

ステリスシステムでの消毒液交換の時期について

消毒法 検査1回あたりのコスト
高レベル消毒液使用せず(低レベル消毒のみ) 240円(*
フタラール 1430円(*
過酢酸 1500円(*
酸性水、使い捨て品その他 500円(*
内視鏡のメインテナンス費 1500円(*
使い捨て処置具 1500円〜10000円(*

*)自治医科大学石野祐三子博士の論文より引用(「消化器内視鏡」誌2003年vol15,No1)
*)当院の試験運転で内視鏡のメインテナンス費(主にコーティング部の修理)です。ステリス法は機械にとっては「過酷」で、内視鏡は標準よりはるかに早く傷みます。
*)複数の会社の製品の実売価格の平均。器具の種類により違います

ステリスのポリシー

かってプルスナー博士(狂牛病の原因のプリオンを発見したノーベル賞学者)は、「豊かな米国人は、世界で最も安全な牛肉を食べる権利を持っている」と牛の全頭検査を主張し、日本を「最も安全対策の進んだ国」と評価しました。

しかし、内視鏡の安全に関しては日本は米国に遅れをとっています。

古くなって活性の落ちた消毒薬をいつまでも使用したり、使い捨て処置具を再使用したり・・・・といった問題がしばしば指摘されます。

「豊かな日本人は、世界で最も安全な内視鏡を受ける権利を持っている」・・・これが、ステリスの思想です。

当院の「消毒、感染防御」は、世界で、最もコストをかけたものです。

医療において「高級」とは 待合室を大理石にすることではなく、「消毒、感染防御」に妥協をしないことと考えます

           

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