ステリスシステムでの消毒薬(フタラール、過酢酸)の交換時期

実はここが「重要ポイント」です。

フタラール、過酢酸は高価で安定性が高いため、通常は同じ消毒液を「反復使用」します。そして効果が無くなるころに消毒液を交換します

反復消毒により内視鏡に付着した水の混入のため、消毒液が希釈され効果が低下します。

まめに消毒液を交換するならそれだけ消毒は効果的です。逆に、交換を怠った場合は消毒無効の原因になります。

細かい話で恐縮ですが、「患者さんへの保証、誓約」の意味で当院の消毒薬交換時期を公開します。


フタラールの有効使用回数 40〜50回(経時的な劣化は無し)
過酢酸の有効使用回数 24〜25回(1日経つごとに3回分劣化) 
当院の検査数 水以外の平日 27件
水曜 11件
土曜 35〜40件

フタラールは1日1回(平均27回毎)、過酢酸は2日で3回(平均19回毎)のペースで交換することで十分な安全域を確保しています

具体的には、次のように交換します

  フタラール 過酢酸
(27件) 朝、新品に交換  朝、新品に交換+19件目に新品に交換 
(27件) 朝、新品に交換 8件目に新品に交換
(11件) 朝、新品に交換 朝、新品に交換
(27件) 朝、新品に交換 朝、新品に交換+19件目に新品に交換
(27件) 朝、新品に交換 8件目に新品に交換
(40件) 朝、新品に交換+夜間の緊急追加検査で40件を超える時に交換 朝、新品に交換+19件目に新品に交換

もちろん有効範囲内でも厳密には交換直前と直後で効果に微妙に差がでます。全ての検査が同じ条件になるのが理想ですが、これは薬液消毒の宿命で根本的に解決は無理です。

尚、「消毒液交換直後を希望」という形式での予約はお受けできません。上の表は交換回数の目安ですが、実際には「検査のキャンセル」「緊急検査の追加」などで順番が前後する(本来は交換直後の予定だった方が、交換直前の順番に変わる)ことも多いからです。この点はご了解ください