大腸癌最新情報

大腸癌はパンデミックだった?policy&FAQ

大腸菌の作る毒素(コリバクチン)が大腸癌の遺伝子変異の犯人である証拠をつかんだ」という報告が二つありました(2019年のpreprint 2020年のNature



コリバクチンを作る遺伝子(PKS)は大腸菌だけでなく、様々な細菌に見つかり、広く水平伝搬しています(病原性アイランドと呼ばれます)。

これは性を持たない細菌に特異的な現象で「菌種の壁」を超えて頻繁に遺伝子の一部を交換し合うのです。

サルモネラ食中毒やコレラなど多くのパンデミックが病原性アイランドが原因です。2018年 Revew

詰まる所・・・・先進国で「流行」している大腸癌は「パンデミック」だった!ということです。


除菌やワクチンは可能か?
これは「不可能」です。コリバクチン阻害剤の報告が2016年にありましたが、研究は進んでいません。


PKS島の感染源は?感染ルートは?
PKS保有菌は欧米の食事で増えるという報告があり「牛肉」の関与が示唆されます。
腸内細菌は分娩時に母から新生児に「移植」されます(文献)。
以上から以下のような仮説が可能です。


感染ルートについては 次回、詳しく解説します