大腸癌の早期発見の意義は小さい。良性のポリープも転移するという新常識policy&FAQ

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「癌は早期なら転移しない。進行すると転移する」と信じられています

しかし「転移する癌は、極めて早期の段階で転移する。逆に転移しないタイプは進行しても転移しない」という説がNature New England Journalという世界で最も権威のある基礎医学と臨床医学の専門誌で提唱されています


2016年のNatureに、乳癌で、この仮説モデルを支持する論文が二つ掲載されました(文献1文献2)。
2017年にはNew England Journa誌がレヴューで取り上げました
上記論文より



乳癌は特殊なのだろう、と思われていたのですが・・・・

2019年のNatureに大腸癌でも「超早期転移」が頻繁に起きていると報告されました(文献 Review)

上記論文より


超早期転移理論は「癌の早期発見」に重点を置いた現在の検診では大腸癌に勝てないことを意味します。

大腸内視鏡を「癌の早期発見」から「癌の予防(ポリープ切除)」へシフトさせる(戦略の変更)ことが重要だという意味です


米国では以前からあった考えで、例えばVogelstein博士(大腸癌研究の第一人者)は2008年のProNAS誌に「ポリープが癌化するまでは長い。しかし癌化すれば転移は極めて早い」と主張しました。これが「先制攻撃(ポリープ切除)主義」の基になっています