ビランと紛らわしいUc型腺腫(最も危険な前癌病変)
以下の写真は2019年に秋田日赤から報告された典型的な「ビランと紛らわしいUc型腺腫」です。この報告は大きな話題となりました。
このようなタイプの病態は解明されていませんが、私見としてはGALT型腺腫(粘膜下腺腫)ではないかと考えています。或いはSuperficially serrated adenoma =SuSAの類縁なのかもしれません。いずれにせよ、表面の観察(Pit診断)が無力な病態です。
以下は当院で経験した「ビランと鑑別の難しいUc型腺腫」です(全て、病理で腺腫を確認済み)。
私見ですが・・・
このような病変は表面を拡大観察しても診断は不可能であり、現在の内視鏡診断の「限界を超えた病変」と言えます。現実的な対策は「典型的なビランと異なる」と感じたら、「コールド法で積極的に切除する」ことと考えます。もちろん「結局はビランだった(不要な過剰切除だった)」ということもあります。しかしコールド法なら重篤な合併症は稀であり、医師は切除を躊躇すべきではないと考えます。