当院の内視鏡の消毒システムは以下のようなものです。この方法で、全検査ごとに高レベル消毒をしています。(1)フタラールの毎日の交換(2)1回限りの使い捨て処置具、を採用している当院のシステムは「現在、最も厳格な方法」です

まず酵素洗剤でよく、手洗いし、汚れを落とします(汚れが残ると消毒効果が半減するため、この原始的なステップが実はとても大事です)

チャンネル内のブラッシング(これも原始的なステップですが、実は、感染予防で一番、大事な点です。全ての検査ごとにブラッシングをおこなっています)。また感染の原因になり易い「ゴムかんし栓」は1回きりの使い捨てにしています

以下、4,5,6、は自動洗浄器でおこないます
酵素洗剤による機械的洗浄(1の補強です)
フタラール液(エイズ、肝炎ウイルス、ピロリ菌などを死滅させる消毒液)による浸潤消毒
水洗いしてフタラールを完全に落とします
フタラールは強力な消毒薬なのですが「高価である」という大きな欠点があります。そのため、一部の施設では古くなって効果の半減したフタラール液を長期に再使用していることが問題となっています。当院ではフタラール液を毎日(検査、約20件ごと)新品に交換して最高の状態を維持しています。なお当院の消毒法は従来は強酸性水法式でしたが、現在は「フタラール」を採用してます フタラールについて詳しく ・・内視鏡.COMで解説しています

処置具につきまして
処置具とは細胞検査やポリープ切除をおこなう器具です。これらは粘膜を傷つけますからメスや注射針と本質的に同じものです。内視鏡本体よりも遥かに厳しい消毒が必要です
一般に処置具の消毒法は2つあります。

オートクレーブ(高圧煮沸) 日本の学界で推奨。日本の標準的な方法
一回ごと使い捨てにする 米国で一般的な方法

当院は「一回ごと使い捨て」を、お勧めしています(使い捨て処置具の費用につきまして

その他周辺部の消毒として・・・
(1)スリッパ、検査着、リネン類は全て1回限りの使い捨てとしています。(2)内視鏡から体内洗浄用に水を送水するのですが、これに使う器具は全て1件ごとに強酸性水消毒しています(3)医師は1件ごとに強酸性水消毒で手洗いしています
当院で使用している消毒・滅菌機器類
 


内視鏡自動洗浄機(フタラールを使用) 天野(株)製

 


オートクレーブ(主にクリップ装置、三脚かんし、などの消毒・滅菌に使用します。)さくら精機製

強酸性水 興研(株)製