当院の内視鏡の消毒システムは以前は以下のような酸性水を使用したものでした。しかし内視鏡学会で「条件付き承認」となったため、現在はフタラールを使用しています。

  長所 短所
酸性水

安価なので毎回、新しい作りたての酸性水で消毒できる

有機物の混入で消毒力が落ちる。抗酸菌に殺菌力が弱い(これは気管支鏡で問題ですが、胃・腸では問題にはなりません)。開発されてから歴史が浅くデータが少ない。これらの理由から内視鏡学会で「条件付き承認」となった
フタラール 有機物が混入しても消毒力が落ちない。内視鏡学会で正式承認を得た。データも多く国際的にも広く承認されている 高価なので何回か反復使用する。反復使用の回数が少なければ問題ないが反復使用の回数が多いと効果が弱くなる。つまり完全な消毒には高いランニングコストが必要
(参考)当院の以前の消毒方法(酸性水法)
まず酵素洗剤でよく、手洗いし、汚れを落とします(酸性水は、有機物が残ると効果が半減するためこれがとても大事です)
チャンネル内のブラッシング
以下、4,5,6、7は自動洗浄器でおこないます
酵素洗剤による機械的洗浄(1の補強です)PH11.2の強アルカリ水による機械洗浄(1,4の補強です。有機物を完全に分解します)
PH2.5の強酸性水による消毒(強酸性水は自動洗浄器内で生成された「つくりたて」を毎回使用します。)
水洗いして強酸性水を落とします
8

細胞検査器具、ポリープ切除器具は1日、1回のみの使用とし、検査終了後高圧滅菌(オートクレーブ)で消毒します。これはメスなどの手術器具と同じ扱いです。