加齢や出産、手術で肛門括約筋が傷つき便失禁で悩む人は少なくありません。数年前からペースメーカーに似た装置を体内に埋め込み、神経を刺激する画期的な治療が保険適応になりました⇒メドトロニック社の「InterStim」 。
この方法を「重症の便秘」へ応用する試みがありましたが・・・上手くいきませんでした。
しかし最新のScience誌に興味深い研究が発表されました。
Burst-patterned stimulation restores colonic motility in preclinical models
失禁の治療では「一定の強さで持続的に刺激する」方式ですが、これは便秘には効果がありません。代わりに「バースト刺激(短時間の強い刺激を繰り返す)」が、重度の便秘症マウスの便通を改善したという報告です。生理的な大腸の「大蠕動」を模倣しているからです。
現在の方法では手術で装置を体内に埋め込む必要があります。
最近、筋肉電気刺激(EMS)と似た仕組みで皮膚の上から電気を流す「経皮的仙骨神経刺激(t-SNM)」という方法も研究されており良好な結果が報告されています。
「便秘になった時に自宅で気軽に使える」という大きな利点があり、実用化されれば、便秘治療のパラダイムシフトになるでしょう。
【文責】 本郷メディカルクリニック 院長 鈴木雄久