胃カメラで病気がうつる?
数年前、内視鏡学会で「胃カメラ後急性胃炎」という病気が問題になりました。これは全く健康は人が胃カメラを受けた後に発生する急性胃炎をいいます。さまざまな原因が推測されたのですが最終的な結論として胃カメラを介してピロリ菌が患者さんから患者さんへ移ることが原因であるとの結論になりました。
なぜこのようなことが起きたのでしょうか?
内視鏡は高価な精密機械であり、完全に消毒するには費用、手間,時間が、かかります。そのため内視鏡による感染の危険をあまり重大に考えていない(というより知らない)医師は消毒をかなり手抜きします。やっかいなことに内視鏡の消毒というのが問題視されたのが最近であるため、内視鏡を専門としない医師の中には内視鏡を消毒する必要のないものと思っている医師もいます。
内視鏡を消毒しないというのは医療法に違反している訳ではなく医師の良心の問題です。しかし本質的には十分「犯罪的行為」といえます。
内視鏡の消毒法で最も理想的な方法はステリハイドという強力な劇薬で一回一回消毒することです。最近までは内視鏡学会もこの方法を推奨していました。しかしこの方法は消毒という点では理想的なのですが、強力な劇薬なので、人体への悪影響が心配されていました。
最近は酸性水がステリハイドと同等に病原体を消毒し、かつ人体には無害であることから学会でも強く推奨されています。
内視鏡の消毒を真剣に考えている内視鏡専門の医師に検査を受けましょう。