公表データの対象は「支払の対象となる」全ての内視鏡後・大腸癌(PCCRC)です



粘膜下腫瘍、悪性リンパ腫、粘膜内癌などの「支払い対象外の癌(PCCRCの定義に該当しない悪性腫瘍)」は公表の対象外です(支払いの詳しい条件はこちらを・・・)

期間中に悪性の粘膜下腫瘍の方が、おりましたがPCCRCの定義に該当しない(内視鏡で診断不可能な)病態であり支払い・公表の対象外と判断しました(⇒2021年記事)。



内視鏡の何年後までの癌をPCCRCに含めるか?
WEOは「4年以内のPCCRCは前回内視鏡でのポリープの見落とし」と宣言しましたが、統計を取る場合、通常は「3年以内をPCCRCとする」のが慣例です。
しかし「3年以内PCCRCの発生頻度」を使うには比較参考となるデータがありません。

Japan Polyp Studyは5000人でスタートしましたが脱落者が多く2回目のCFを受けたのは2700人、3回目(3年後)のCFを受けたのは750+750(二つにグループ分け)=1500人でした。1年後のPCCRCが4名、3年以内のPCCRCが13名でした(文献)が、「脱落者が多く正確な頻度が不明」と言えます 

私見ですが、この問題は患者個々のリスクに応じて変える(当院システムのランクA〜E)べきであり「一律に〜年以内」と定義すべきではないと考えます。

 比較 JPS(Japan Polyp Study) 当院 の補償システム
 対象人数  2787人  年間約2800人で今後、累積していく予定
 1年後PCCRC  4人(700分の1)  0人
 試行施設  複数の日本のトップレベルの病院  当院単独
 統計対象の癌 いずれも浸潤癌(粘膜下層以深)のみ統計。粘膜内癌は統計に入れず
悪性リンパ腫、カルチノイドなどのポリープと関係のない癌は統計に入れず
 除外規定 aFAP、SPSなどのポリポーシスHNPCC、炎症性腸疾患、、洗浄不良は除外 過去に大腸癌を手術された方も除外 原則は同じだが 「重度の場合は除外」、「中・軽度の場合は、除外せず。Interval Cancer,Critical Index Lesion既往の方は除外他の大腸癌既往は除外せず。除外規定は必ず検査の直後に決定し、癌診断後には適応しない。

PCCRCの研究では「追跡調査と脱落者の多さ」が最大の問題になります(⇒調査法の問題について