「腺腫発見率」が医師の観察技術を表します。「抜去(=観察)時間」が、どれくらい丁寧な検査がされたかを表します。



医師の腺腫発見率が高ければ高いほど、患者さんが内視鏡後・大腸癌になる可能性が低下します。これは複数の臨床研究で証明されています(詳しく・・・

 

医師の腺腫発見率が高いと、患者さんが大腸癌になる可能性が下がる
 N Engl J Med 2010; 362:1795-1803





医師の腺腫発見率が1%上がると、患者さんの大腸癌死亡率が5%下がる
N Engl J Med 2014; 370:1298-1306


抜去(観察)時間と腺腫発見率が、比例することも報告されています。どんなに高い技術を持った名医でも、観察に時間をかけなければ精度は落ちます。


 文献:N Engl J Med 2006; 355:2533-2541

従って、観察時間を伸ばせば⇒腺腫発見率が上がり⇒内視鏡後・大腸癌の発生率が下がる、訳です



日本の専門病院では、一人の医師が1時間に4〜6人の検査を施行するのが普通で、これが見落としが多い原因と考えられています。


尚、「観察時間」とは内視鏡を抜いてくる(抜去時間)のことです。挿入は観察には関係せず、挿入の時間は短いほど検査の品質が高い(医師の腕が良い)です。