高齢の方・持病をお持ちの方へのご注意
下剤と長時間の絶食により脱水・低血糖となり体力が落ちます。解り易く言うなら熱中症と同じ状態と考えてください。
実際、下剤を服用している間に死亡された方が毎年、日本国内で数名が報告されています。(多くは脳卒中や心臓発作です)
【80歳以上の方】
原則として内視鏡ではなく、負担の少ないCT検査(CTコロノグラフィー)を強く勧めます。
【命に関わる重い持病がある方】
原則として、持病で通院中の病院で「入院の上で検査をすること」を強く勧めます。
基本的な考えは「予測される寿命より10年を引く」というものです。
つまり、ポリープが癌になり命を奪う状況になるのに要する時間が平均すると大体10年なので、平均寿命が85歳なら75歳の時に大腸内視鏡でポリープを完全に除去すれば、それを人生最後の検査にするのが合理的であるという考えです。
もちろん各個人の体力、活動度、持病の有無により状況は大きく変わりますから「全員が一概に75歳で卒業」とは言えませんが、一つの重要な目安になります。
個人的な意見としては「下剤を飲むのが体力的にきつくなった」と感じたら「卒業」を考慮すべきと思います。
「10年後に癌になる微小なポリープも治療してしまおう」というのが大腸内視鏡のコンセプトです。
働き盛りで一家を支えている方の大腸癌検診は内視鏡にすべきであると考えますが、高齢者は無理に内視鏡にこだわるべきではなく、他の負担の少ない検査を優先すべきであると考えます。
具体的には、大腸CT検査(CTコロノグラフィー)は精度は内視鏡の半分位ですが、下剤の量も内視鏡の半分位です(Fecal Tagging法)。またPET検査や血液検査(腫瘍マーカー検査)なら下剤は全く不要です。
※最近は大学病院や癌センターも検診に力を入れており、大腸CT検査は多くの施設で可能です。Googleで検索すれば近所に施行している病院が見つかります。
70〜79歳の方は以下の注意をしっかりと御読みください。
体力に自信が無い方はCT検査を強く勧めます。
水分・電解質・糖分の補給
下剤を飲み始める前日の夜より、脱水・低血糖にならないように十分に補給してください。
「病院の検査の前だから、あまり口にしてはいけない」という誤解は大変危険です。
※純粋な水は好ましくありません。イオン補給水が理想的です。
気候と移動手段
暑さ、寒さのひどい季節は避けて、すごしやすい時期に予約をとられることをお勧めします。
暑さ、寒さのひどい日は、クリニックと御自宅の往復は電車をさけ、極力、冷暖房の効いた車(御家族が運転する自家用車またはタクシー)での移動をお勧めします。
検査を細心の注意で施行しますが、下剤服用中の体調管理には患者さん自身の注意が必要です。
御家族も付き添い、協力していただき細心の注意をしていただくことをお願い致します。
| 70歳 〜 75歳 | 上記事項に注意して大腸内視鏡を受けることを勧めます。 |
|---|---|
| 75歳 〜 80歳 |
大腸癌リスクが高い方
上記事項に注意して大腸内視鏡を受けることを勧めます。 特にリスクが高くない方 レントゲン検査(CTコロノグラフィー)を勧めます。 |
| 80歳 〜 85歳 |
大腸癌リスクが高い方
レントゲン検査(CTコロノグラフィー)を勧めます。 特にリスクが高くない方 PET検査や血液検査を勧めます。 |
| 85歳以上 | 原則として、PET検査や血液検査を勧めます。 |