70歳以上の高齢の方、重い持病を持つ方は下剤の服用に際して下記のような注意が必要です(内視鏡検査自体は何も問題はありません。)予約には、原則として、事前の来院・診察をお勧めしていますが体力に十分な自信があり、下記の注意事項を十分に御理解していただいた方は事前来院は、必ずしも必須ではありません。



下剤と長時間の絶食により脱水・低血糖となり体力が落ちる危険があります。解り易く言うなら熱中症と同じ状態と考えてください。実際、下剤を服用している間に死亡された方が数名、日本国内で報告されています。(多くは脳卒中や心臓発作です)
このような事故を防ぐために重要なことは以下の3点です
<1>下剤の飲み始める前日の夜より脱水・低血糖にならないように「ポカリスエット・塩分・透明な飴玉・砂糖」を摂取し水分・電解質(塩分)・糖分を十分に補給してください。「病院の検査の前だから、あまり口にしてはいけない」という誤解は大変危険です

 用意するもの  ポカリ  砂糖・飴玉  食塩
<2>暑さ、寒さのひどい季節は避けて、すごしやすい時期に予約をとられることを、お勧めします。暑さ、寒さのひどい日はクリニックと御自宅の往復は電車をさけ極力、冷暖房の効いた車(御家族が運転する自家用車またはタクシー)での移動を、お勧めします。

<3>血液を固まりにくくする薬(抗血栓薬)を服用している方は「中止せずに服用したまま」検査を受けることを、お勧めします(詳しく・・

高齢者の大腸内視鏡はいつまで適応があるか?
この問題は最近、学会でも議論されています。明確なガイドラインは日本にはありませんが米国はいくつかの指針を文書化しています。
基本的な考えは予測される寿命より10年を引くというものです。つまり、ポリープが癌になり命を奪う状況になるのに要する時間が平均すると大体、10年なので、平均寿命が85歳なら75歳の時に大腸内視鏡でポリープを完全に除去すれば、それを人生最後の検査にするのが合理的であるという考えです。
もちろん各個人の体力、活動度、持病の有無により、状況は大きく変わりますから「全員が一概に75歳で卒業」とは言えませんが、一つの重要な目安になります。

個人的な意見としては「下剤を飲むのが体力的にきつくなった」と感じたら「卒業」を考慮すべきと思います。

また大腸内視鏡以外の検査を考慮するのも賢明な判断です。
つまり高齢者は精度よりも検査の負担が少ないことを優先すべきであると考える訳です。具体的にはレントゲン検査(CTコロノグラフィー)は精度は内視鏡の半分位ですが、下剤の量も内視鏡の半分位です(Fecal Tagging法)。またPET検査や血液検査(腫瘍マーカー検査)なら下剤は全く不要です。

「10年後に癌になる微小なポリープも治療してしまおう」というのが大腸内視鏡のコンセプトです。内視鏡は最も精度が高い訳ですが、同時に前処置の下剤の負担も最大です。

働き盛りで一家を支えている方の大腸癌検診は内視鏡にすべきであると、当院は考えますが高齢者で体力に自信の無い方は、無理に内視鏡にこだわるべきではなく、他の検査も検討すべきであると考えます。

大体の目安として当院は以下のように考えます。

 70歳〜75歳

脱水にならないように注意して大腸内視鏡を受けることを勧めます

 75歳〜80歳

 大腸癌のリスクの高い方には 注意して大腸内視鏡を受けることを勧めます
特にリスクが高くない方には レントゲン検査(CTコロノグラフィー)を勧めます

 80〜85歳

 大腸癌のリスクの高い方には レントゲン検査(CTコロノグラフィー)を勧めます
リスクが高くない方には PET検査や血液検査を勧めます

 85歳以上

 原則として PET検査や血液検査を勧めます

 命に関わる
重い持病がある方

 原則として 持病で通院中の病院で入院の上で検査をすることを勧めます。
どうしても当院での検査を希望される方は十分に注意して下剤を服用してください。