内視鏡の消毒は下のような消毒液(高レベル消毒)に浸潤しておこないます。

  長所 短所
グルタール
アルデヒド
歴史が古くデータが豊富。学会で正式承認 消毒に時間がかかる。人体への毒性がある。
フタラール
過酢酸
長時間安定。学会で正式承認 高価(1回分数万円で安定性が高いため、通常は同じ消毒液を「反復使用」します。そして効果が無くなるころに消毒液を交換します。ここが「落とし穴」です。安定性が高いといっても限界があり医師が交換をけちった場合は無効になります
酸性水 安価(1回分数百円)。不安定なため「作りたての新しい消毒液」を毎回使用します。「反復使用」することはありません。学会で注釈付きで承認 短時間しか安定でない。有機物の混入で効果が半減・結核菌に弱い。内視鏡が酸のため、腐食する。

 この4つの消毒薬でどれが最善か?これは結論がでていません。各々の薬品に「得手不得手」があり、日本と欧米のガイドラインも異なります。時間とコストを考えなければ「全ての消毒薬を併用する」というのが「現時点で理論的に最も理想に近い」と言うことになります。しかし、消毒は内視鏡で最も時間とコストがかかる作業であり保険診療では無理な話です。

 

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