数年後に、他医療機関で大腸癌の診断が下された場合は、当院で速やかに内視鏡で確認をさせていただくことをお願いします。

癌の治療に差し支えないように至急に施行しますので速やかに御連絡下さい。
この検査の目的は癌の診断を当院でも確認するということだけではありません。以下のような重要な意味があります。

以前にポリープを切除した傷跡は目印として残ります。これらの傷跡と毛細血管の模様は大腸の中を地図のように分ける指標になります。
また大腸は盲腸・回盲弁・結腸ハウストラ・直腸ヒューストン弁が個人ごとに独特の形状をしており、憩室の場所・形・数、死角になる強い屈曲・癒着なども個人によって大きく異なります(これは指紋のように同じ人は存在しません)それらは全て過去の検査時にカルテに記録されています。これらこそが「死角」の原因になる訳です。

従いまして当院で再検査をして以前の検査記録と比較することにより、高精度な検査をしても何故、大腸癌が予防されなかったのか?なぜ、そのような例外的な特殊な事態が起きたか?その理由(個人個人で大きく異なる)が医学的に解明されます。

これは「内視鏡の精度をより向上させる」という医学的に重要な意味がありますが、それだけではなく患者さんにとっても極めて有益な意味があります。

「なぜ、今回、癌が予防できなかったのか?」をしっかり解明しないと・・・・手術後に定期的に内視鏡を受けても、また大腸癌になる危険性があるのです。

原因が解明されれば、手術を担当する外科の先生と当院で詳細な情報交換を、おこなうことでこの癌を手術した後に、将来、再び、2度目、3度目の大腸癌の発生を予防する手段が立てられるのです。