大腸癌最新情報

加速する大腸癌の若年化。原因は加工食品か?policy&FAQ

近年、大腸癌の発生が、平均15年若年化しているという報告があります。

大腸癌の古典的リスク脂肪の多い肉、飲酒、喫煙、肥満)では、この現象を説明できません。これらの古典的リスクが近年、若者に、増加したという事実は無いからです。

最近のNatureでは「子供の好きな加工食品」に最も注目しています。以下に代表的な仮説を述べます・・・


果糖
清涼飲料水で使われているのは実は砂糖(ブドウ糖)ではなく、より甘みが強い果糖です。
果糖は「肥満を起こさない少量でも」大腸癌を増加させることが2019年のScience誌に報告され注目されました。果糖は小腸で吸収されにくいため、大腸に、より多く届き大腸の細胞が「高栄養状態」になり易いのです。


酸化チタン(白色の色素)
「カラフルなお菓子」などに使われています。酸化チタンは「ナノ粒子」で腸の細胞に沈着し活性酸素を産生し大腸癌を起こすと考えられています(2016年報告 2017年論文 2018年報告 2019年報告 2019年報告 2020年報告 )。


加工肉
ベーコン・ハム・ソーセージ・サラミ・ウインナーなどのことです。防腐剤のため通常の肉より発癌物質(硝酸化合物)が多いとされています。加工肉と「直腸・S字結腸癌の増加」の関係は2015年の報告2019年の日本の報告があります。


乳化剤
やはり加工食品に多く、簡単に言うなら「食べられる石鹸」です。乳化剤自体に発癌性はありません。腸内細菌に影響し「軽度の慢性的な腸炎」が起きて大腸癌の原因になるとされています。2015年にNatureで「乳化剤による腸の炎症」が、2020年に「乳化剤の腸内細菌への影響」が、2017年には「乳化剤による大腸癌の促進」が報告されました


トランス脂肪酸
やはり加工食品に多く、動脈硬化の重要な原因です。動脈硬化だけではなく、大腸癌の原因になるという報告が2001年 2008年 2010年に、ありました。



この記事を書いている時に、米国から「べピーパウダーの発癌性が認定され、裁判所がジョンソン・エンド・ジョンソン社に2200億円の支払い命令を出した」というニュースが入ってきました。
まさかベビーパウダーまで・・・・と驚いた方も多いでしょう。

若年性大腸癌は「今がピーク」なのかもしれません。科学者の指摘に応じて、製造者が疑わしい物質の使用を中止すれば・・・・これから減少していくのかもしれません。