どうして大腸内視鏡が苦しいといわれるのか?
一般的な方法では・・・・屈曲させた腸管に内視鏡を押し込むようにしてしN字型や「の」の字型 にループを作りながら挿入し、屈曲部の先にに内視鏡を引っ掛けて引き戻して「直線化(ループ解除)」します。この方法を「Right Turn Shortoning」といいます。(1)ループを作りながら押し込む時と(2)ループ解除の時に腸に強い力が加わり痛み(お腹が張って苦しい感じ)が発生します
どうすれば苦痛のない挿入になるのか?
大腸を長いアコーデイオンと考えてください。空気をいれると アコーデイオンが伸びて、曲がりくねります しかし、空気を抜くと、短縮し、直線化 します。 空気をいれず、しぼんだアコーデイオン となった腸を最短距離で進めば苦痛は無く事故の危険もありません。ループを作らずに直線的に挿入する方法は専門医の間では 軸保持短縮法とよばれています 私が東大1内在籍時に軸保持短縮法を改良したのが「無送気・直線的挿入」です。
空気を入れなくても内視鏡が挿入できるのか
内視鏡の先端に独特の器具(透明CAP)をつける ことで、空気を全く入れなくても 視界が確保され、盲腸まで内視鏡を 挿入できますなお、観察や処置の時は当然、必要な空気を入れて腸を膨らませます。これは通常は苦痛の原因にはなりません。
検査時のにはどのくらい「異物感」を感じますか?
普通の腸の方でしたら、機械が入っている感覚を全く感じないまま検査が終了します。「本当に入れたのか?」と疑問をもたれる方が多いので、盲腸(大腸の一番奥)の写真を患者さんにさし上げる事にしています。
お腹を手術していて癒着しているので前回、大腸内視鏡がつらかった
子宮や卵巣の手術をされた方、子宮内膜症の方、大腸に憩室がたくさんある方などは 腸が癒着し、内視鏡の挿入が非常に難しく なります。 ループを作ったまっま無理に押し込むと大きな 痛みを起こし、最悪の場合は 癒着部で腸が破ける(穿孔)という事故を起こします。癒着のひどい方は「直線的挿入法」が苦痛が最小で、「安全に検査が成功」する確率が最も高いと確信します。