全検査を現在、最も解像度の高いオリンパス EZ1500DIで施行します
今週のUbUc」「ビランと鑑別の難しい腺腫」で紹介していますが、他施設では見つからない平坦、微小病変が当院で定期的に発見されているのは、この内視鏡の威力です
このスコープは高額なため、あまり普及していないのですが大学病院等には必ず常備されています。
しかしスクリーニング検査で使用されることは、ほとんどありません。理由は「最も太い」ため挿入に技術が必要だからです。

「最高性能の内視鏡=最も太い」「細い内視鏡=画質、性能が悪い」という傾向は内視鏡の構造的な宿命であり永遠に解決しません。ハードウエアーは、どんどん進歩しますが内視鏡がスマホと違う点は「最新・最高性能の機種を使いこなすには医師の技術が必要」という点です


現在、最も広く使われているH290スコープ(細径)の画像


EZ1500DI(太径)の画像。この方は「癌に近い高度異形腺腫」なのですが、大学へ紹介するも再発見できませんでした。
観察時の鎮静剤について
太径の内視鏡で長時間の観察をすると、どうしても腹部不快感が生じます。観察(抜去)時にも適宜、鎮静剤を使用します。患者さんがモニターを見れるように「眠ってしまう」ほどではありませんが「お酒に酔ったほろ酔い状態」と同じ状態で検査を行います。(精度保証の無かった)以前に比べると「鎮静剤の使用量が増えた」と感じる方が多いでしょう。「鎮静剤を極力使いたくない」「鎮静剤を多めに使ってほしい」と言ったご希望は遠慮なくおっしゃってください。