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事故のあらまし
50歳の会社社長。人間ドックをうけた。それまでお腹の調子は良好であった。超音波検査にて「膵管(膵臓の中にある管)」が拡張しているのが見つかった。医師より「慢性膵炎か膵臓に腫瘍ができている可能性がある。入院の上,精密検査が必要」との説明をうけ大きな国立の総合病院を紹介された。1泊入院の予定でERCP(胃カメラを使って膵管に細いチューブをいれ造影する検査)」をおこなった。翌日,激しい腹痛が発生。重症急性膵炎と診断されICU(集中治療室)で1ヶ月の入院治療が必要となった。
なお,ERCPの結果は良性の慢性膵炎であった。
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なぜ事故が起きたか?
急性膵炎はERCPの合併症で最も多いものです。軽症も含めますと1〜2%位の頻度で見られます。まれに重症膵炎となると死亡率も高く重大な結果になります。
ERCPはあらゆる内視鏡手技の中でもっとも難しく合併症の多いものです。
理由は二つの面があります。
一つは膵臓は極めて刺激に弱い臓器で異物の進入で容易に炎症を起こすという事です。
二つ目の点としてERCPは高度な技術を要するが検査の頻度は多くなく,しかも側視鏡という普段,使わない内視鏡を使います。どうしても側視鏡に慣れ,ERCPの経験の豊富な医師は少ないのです。
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解説
最近はERCP以外の危険性のない他の膵臓の検査方法がたくさん開発されています。(超音波内視鏡,MRCP,高解像度ヘリカルCTなど)。これらはERCPにくらべると,“やや”精度が落ちます。
膵臓癌は極めて悪性度が高く,画像としてとらえられる2cmでもほとんどが進行癌です。2cmではERCPでも見つからない事が多く,危険を冒してERCPをおこなう意義はあるか?膵臓癌の診断にERCPが不可欠か?は医師の間でも議論になります
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事故に遭わないためのアドバイス
ERCPを勧められたら他の検査(超音波内視鏡,MRCP,高解像度ヘリカルCT)では不十分なのかを医師によく確認し,できるなら「ERCPの専門家」にお願いするのが理想です。間違っても「簡単な検査」と思ってはいけません
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