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事故のあらまし
毎年,会社の検診(レントゲン検査)を受けていた。昨年はレントゲンで「影がある」といわれ胃カメラを受けたが「小さな潰瘍の跡のみ」といわれた。細胞検査もおこなったが良性であった。
今年になって食欲が無くなったためもう一度胃カメラを受けたところ進行胃がんが見つかった。すでに癌性腹膜炎の状態で医師から家族には「余命3ヶ月」と宣告された。
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なぜ事故(見落とし)あが起きたか?
似たような事故ですが前述の大腸検査の見落としとは全くことなるものです。癌はスキルス癌(印鑑細胞癌)でした。これは,胃がんの中では最も悪性度が高く極めて早い速度で増殖し,時には数ヶ月で転移することもまれではありません。おそらく1年前には癌がなかった可能性が高い(あっても極めて微少なもの)です。
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解説
癌には「おとなしい癌(発生してから数年で進行癌になる。分化癌)」と「急速な癌(発生してから数ヶ月で転移し進行癌になる。未分化癌)」があります。大腸がんは代表的な「おとなしい癌」です。胃がんも9割は「おとなしい癌」なのですが残り1割は「急速な癌(スキルス)」です。食道癌はスキルスほどではありませんが「やや急速な癌」です。大腸検査が癌自体よりも前癌病変(ポリープ)の発見・治療を重視しているのと異なり,胃検査は癌の早期発見を目標にしています(胃がんには明確な前癌病変はありません)。しかし,検診の対象となるのは9割の「おとなしい癌」で,残念ながらスキルスが早期発見されるのはかなり幸運な場合だけです。
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4cmの分化型胃がん
こんなに大きくても早期でした。 |
4mmの未分化胃がん
こんなに微小なのに,すでに転移していました・・・・ |
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事故に遭わないためのアドバイス
これも前述の事故と同じで,結局のところ医師の熱意に頼るしかありません。検査前に,医師に「小さなスキルスが恐いので,時間をかけてよく,見てください。」と遠慮せずにお願いしましょう。医師が「勉強している方だな・・・・」と感じるくらいが,よい検査になるはずです。
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