大腸ポリープが見つかったら・・外来切除できる限界について
  • 外来で切除できるポリープは、極力、当日に切除し検査が1回で完結することを目標にしています
  • 見つかったポリープが小さいものでしたら、切除後、翌日より、お仕事が、可能です。
  • 大きなポリープですと、切除後、数日の安静が必要になります。 当日に切除するか、日を改めるか、「その場で御相談」をすることになります
  • 見つかったポリープの99%以上が、当日に当院で切除され完治しています
  • しかし、次のような場合は当院での切除は好ましくないと判断し、関連病院(東大病院、国立癌センター等)へ、紹介することになります。 (このような方は1%以下です)
    • (1)既に癌化し癌が粘膜下に浸潤している可能性のあるポリープ

      (理由)このような病変は内視鏡で切除しても、後に外科手術の追加が必要です。外科との連携がスムーズに行くように、関連病院での切除が好ましいと判断します

      (2)良性ではあるが、切除後に輸血を必要とするような大出血の可能性のあるポリープ

      (理由)夜間、休日も含めて緊急時の対応がスムーズに行くように、関連病院での切除が好ましいと判断します

  • このような判断は、ポリープの形(非対称で不整形だと悪性のことが多い。下図)、大きさ、表面模様の拡大観察などで、判断できます。
  • 当院の使命は「安全で苦痛の無い検診」と考えていますので、切除手術で限界に挑戦することは行いません。この点は予め、ご了解ください。

 

いくつか、実例をあげて解説します。

当院で切除した病変 
 
  5ミリ未満の微小腫瘍です。切除後、翌日より、通常通り、お仕事をしていただきました。この病変は高度異型腺腫(グループ4、癌ではないが,癌化直前の病変)でした。このような微小病変も決して放置すべきでないことを示唆しています 約2cmの病変です。大きさ、形態より初期の癌と判断しましたが、粘膜内にとどまり深部浸潤は無い(後に外科手術の追加は不要で、内視鏡切除で完治できる)と判断しました。その場で患者さんと、相談、切除後3日、自宅安静をとることとし当日に切除しました。やはり「粘膜内癌」でした。
関連病院へ、紹介した病変 
 
  8ミリほどの小さい病変なのですが「表面の不整」より癌が粘膜下に浸潤している(後に外科手術の追加が必要)と判断、関連病院へ紹介しました。やはり外科手術がおこなわれました。「粘膜下層の早期癌」でした。 約3cmの病変です。拡大観察により「良性(巨大過形成ポリープ)」と判断しました。内視鏡切除で完治できる病変ですがサイズから、切除後大出血の危険もあると考え関連病院へ紹介しました。入院の上、内視鏡切除がおこなわれました