未分化癌


術後早期に多発肝転移を来した上行結腸原発早期未分化癌の1例 (jst.go.jp)


生検は「炎症粘膜」のみ。一部に「内分泌癌成分あり」。既にステージ4!

このタイプをIFPと誤診すると‥‥悲惨な結果になる


根治術後短期間で再発・死亡した壁外発育型S状結腸未分化癌の1例 第74巻05号1321頁 (jst.go.jp)


このタイプを内膜症と誤診すると‥‥悲惨な結果になる


免疫染色について
悪性上皮性腫瘍である癌腫は一般にはサイトケラチン(CK)を発現し、間葉系のマーカーであるビメンチンは発現しない傾向があることを利用して、癌か肉腫かの鑑別に有用とされていた。しかし、癌肉腫も含め、癌腫の分化度が低くなるにつれて、サイトケラチンの発現は弱くなり、ビメンチンの発現が起こるようになり、また、非上皮性腫瘍であっても、一般に上皮性マーカーと呼ばれているサイトケラチンなどが発現することもあることが分かって来た。Vimentin染色が陽性だからといって病理診断上断定的なことが言えるわけではなく、用途は少なくなっている。


大腸腺扁平上皮癌の1例 (jst.go.jp)

大腸内視鏡検査にて上行結腸に2型進行癌を認めた.組織型は中分化扁平上皮癌で,一部未分化癌様成分を認めた.高分子および低分子ケラチンを染色したところ扁平上皮癌部に混在して,未分化癌様の細胞に腺癌様分化が認められたため,最終診断は腺扁平上皮癌とした.


Rhabdoid feature を呈した S 状結腸未分化癌の 1
発症 13 日目に下血をともなった ため,近医を受診し入院となった.腹部 CT 検査 において直腸から S 状結腸(Rs〜S)に瀰漫性浮 腫状壁肥厚を指摘され,感染性腸炎として治療が 開始された.その後,大腸内視鏡検査が施行され Rs 部に浮腫状狭窄が指摘されたが,鉗子生検に よる組織診断では悪性所見は確認できなかった


悪性ラブドイド腫瘍はさまざまな臓器で認めら れる,横紋筋肉腫様形態を示す rhabdoid 細胞を 特徴とする腫瘍である1)2) .当初,Wilms 腫瘍の 亜型として腎原発病変として報告されたが3) ,そ の後,軟部組織などの腎外性発生病変の報告がみ られるようになった1)2) .rhabdoid 細胞は癌や癌 肉腫,肉腫の一部分像として認められることよ り5)16)17) ,現在,RF を示す未分化癌肉腫,rhabdoid phenotype をともなう癌肉腫と診断されてい る.RF は腺癌に併 存することから5)16)17) ,腺癌が脱分化した結果生じ 1388 日本消化器病学会雑誌 第111巻 第 7 号 (66) ることが推察される. 本症例は初期診断において炎症性病変との鑑別 が問題であった.その理由として,肉眼型が 4 型 であったこと,初回鉗子生検で癌を検出できな かったこと,WBC と CRP の高度上昇が認めら れたことが挙げられる.本症例では,粘膜下層の 浮腫状変化が目立ち,通常の硬癌にともなう肉眼 型とは異なっていた.このことが 4 型癌との認識 を困難にし,適切な生検がなされ得なかった理由 と考えられる.