大腸内視鏡検査の下剤の飲み方
(1)検査の2日前(就寝時)

就寝時に ピコスルファート(小さいビン)1cc(=約15滴)をコップ2〜3杯の水で飲んで下さい。

<解説>
大腸検査で使われる「ピコスルファート」や「マグコロール」は妊婦さんにも処方される最も刺激の少ない下剤ですが、便秘で宿便が溜まった状態で大量に服用しますと、腸の動きが亢進して強い腹痛が起きる方がいます。
ひどいと「虚血性大腸炎」になります。これを防ぐには、2日前から少量の下剤を服用して、予め宿便を出しておくのが非常に効果的です。

特に便秘気味の方は、検査の3日前から普段飲んでいる下剤(無い方は市販の下剤を適宜)も十分に飲み、宿便を溜めないことが大事です。
以前の検査で「腸が長いです」「洗浄が不十分です」と言われた経験のある方も同様にしていただく方が望ましいです。
※逆に「下痢気味の方」は、ここのステップは省略可能です。

2日前の下剤

ピコスルファート1本=10cc(1cc=約15滴)

(2)検査の前日

朝、昼、夕の食事は軽めにして下さい。
ご飯、うどん、パンなどの炭水化物を中心にして、繊維の多いもの(植物)は絶対に食べないでください。

※これは非常に重要です!!繊維は大腸内に残り、観察の死角ができ癌の見落としの原因になります。

〇 望ましい食事

卵かけごはん、お粥(白粥、卵粥、鮭粥、鶏粥)、ゆで卵、目玉焼き、卵焼き、トースト、クッキー、蒸しパン、カステラ、プリン、ビスケット、ネギ無しの月見うどん、そうめん、ひやむぎ、専用の大腸内視鏡検査食

卵かけご飯 トースト うどん
△ 要注意の食事

ご飯でも「赤飯・玄米・雑穀米・麦」は繊維が豊富なので不可です。肉や魚は柔らかいものを少々なら可ですが、硬い物や量が多いと未消化で残ります。
カレー、シチュー、ハンバーグ等のソースには野菜が多く含まれる事があります。「食物繊維入り」のお菓子も避けてください。

× 絶対に禁止

全ての野菜、全ての果物、ワカメ、海草、キノコ、ヒジキ、コンニャク、寒天、干しぶどう等、豆類、芋類

野菜 ワカメ キノコ

便秘気味の方は、検査の2〜3日前から、なるべく野菜・果物・ワカメ・キノコ・コンニャクなどは控えるようにしてください。


前日の夕食と就寝前

夕食を早めの時間に(18時ごろまでに)極少量(例:お粥茶碗1杯分とビスケット数枚)でお済ませ下さい。
ただし、脱水にならないように透明な水分(お茶、ウーロン茶、紅茶、透明なスープなど)は十分に補給して下さい。

(1) 1本目のピコスルファート(小さいビン)の残りをコップ1杯以上の水で飲みます。

(2) マグコロールP 50g(小さい袋)を、水300mlに溶かして、お飲み下さい。
(濃くて飲みにくいようでしたら水を加えて薄めてください)

ピコスルファート マグコロール50g
大抵の方は翌朝(5〜6時間後)には下痢になりますが、2〜3時間で下痢になる方もいれば、翌朝あまり下痢にならない方もいます。
ピコスルファート:作用発現に時間がかかるので安眠できるが、腹痛が起こる場合がある。
マグコロール:腹痛は起きないが、作用発現が早く安眠できない場合がある。

▶ 以前下剤で腹痛を起こした経験のある方
(1)を減らすか無しにして(2)のみにしてください。残った(1)は翌朝服用してください。
▶ 便通が良い方で予約が午後の方
早起きして(2)の服用は翌日の起床時にして頂いた方が安眠できます。
▶ 便秘気味の方、検査が午前中の方
翌朝、確実に下痢になることが腸の洗浄を成功させるために重要です。早く効くと安眠できないかもしれませんが(1)と(2)を服用してください。
睡眠のイラスト
(3)検査の当日(起床時)

マグコロールP 50g(小さい袋)を、水1000mlに溶かして飲んでください。

※予約が夕方以降の方は、大体「予約の8時間位前」を目安にして飲んでください。

マグコロールと水1000ml
(4)検査予定の5時間前になったら

まず、ピコスルファート(小さいビン)の2本目の全部をコップ1杯の水で飲みます。

ピコスルファート2本目

次に、マグコロールP 100g(大きい袋)に水を加えて1800ccにします。そこに「ガスコン(錠剤) 2錠」を溶かします。

※ガスコンは溶けにくいので、小さなすり鉢などを利用してよく砕いてから混ぜてください。

この「1800cc液」を2時間位でお飲み下さい。

マグコロール1800ccとガスコン

5〜10回ほどトイレに行き、飲み終わり2時間もすると、お腹が落ち着いてきますので、電車にお乗りください。

当日は検査終了まで食事はできませんが、口直しに お茶、ポカリスエット、ウーロン茶、紅茶、飴玉、砂糖、食塩、塩飴 などは御自由にどうぞ。
(特に高齢者の方は脱水・低血糖にならないように透明な水分・ポカリスエット、塩分・糖分を十分にお取りください。)

※午前中の検査の方は(3)(4)を連続して飲むことになります。

下剤服用時の注意とトラブル対処
前日の下剤で腹痛があり不安な方は…

最初に固形の便を排便するときに腹痛が出ても、以後腸内の通過がよくなれば、洗浄液を飲んでも腹痛は通常はもう起きません。
しかし不安がある場合は、適宜、下剤を減量してください。(もしそれで洗浄が不十分となりましたら、下記の対策をとってください)

便が透明でないなら…

便が透明で便器の底が透けて見える状態になれば前処置は完璧ですが、透明でないなら早めに来院して下さい。
院内でマグコロールを追加でお飲みいただきます。見落としの無い検査のため、便の透明度に少しでも不安がある方は躊躇することなく早めに来院してください。

⚠ 排便が全くない場合(要注意)

全く排便が無いまま(=腸内に宿便が大量にある状態で)「1800cc液」を飲みますと、お腹が張って苦しくなる(腸閉塞、糞詰まり)を起こすことがあります。
「昨日までは排便が順調にあった。昨日ほとんど食べていないから今日は便が出ない」という状態ならば問題ありません。慎重にゆっくりと服用してみてください。

しかし、飲んでいても排便の兆候が無く、腹痛・吐き気・強い腹部膨満感が見られるならば、飲用を直ちに中止して連絡をいただくか、来院して下さい。

飲み方のコツと注意

※2リットルの洗浄液を早い時間に飲んでしまうのは逆効果です。一度綺麗になっても時間が経ちすぎると胆汁・粘液が分泌され再び腸内が黄色くなります。夕方の検査の方が朝に全部飲んでしまった場合は、早めに来院して追加で飲んでください。

合併症がある方・院内服用について

合併症がある方へ

  • ■ 透析中の方
    マグコロールは服用できません。代わりに「ニフレック」という洗浄液を使用します。
  • ■ 糖尿病の治療中の方
    食事が出来ませんから糖尿病薬を服用すると「低血糖」を起こす危険があります。
  • ■ 痔がある方
    当日の検査前は痔の軟膏・座薬は使用禁止です(検査の大きな支障になります)。

院内で下剤服用を希望される方は…

御自宅のトイレを使用するのが最も快適であり衛生的です。御自宅なら、痔が痛む場合は温浴もできます。

しかし院内待合室での下剤服用を希望される方は、予めメール等で御連絡下さい。クリニックのトイレは数が少ないため、患者さんの予約が重ならないように時間を調整します。