高度便秘症の方の大腸内視鏡検査の下剤の飲み方

(1)検査の3日前から・・・

繊維の多いもの(野菜・果物・ワカメ、海草、キノコ、ヒジキ、コンニャクなど)は控えるように気をつけてください。

いつも、お飲みの下剤を毎日多めに飲み、
毎日、十分に排便をして下さい。(いつもお飲みの下剤がない方は、コーラックなど何でも結構ですので、薬局で市販の下剤を適宜入手して下さい)


(2)検査の前日

 朝、昼、夕の食事は軽めにして下さい。ご飯、うどん、パンなどの炭水化物を中心にして繊維の多いもの(=植物)は絶対に食べないでください。
これは非常に重要です!!  繊維は大腸内に残り観察の死角ができ癌の見落としの原因になります!!

望ましい食事

卵かけごはん、お粥(白粥、卵粥、鮭粥、鶏粥) ゆで卵、目玉焼き、卵焼き トースト、クッキー、蒸しパン、カステラ、プリン、ビスケット  ネギ無しの月見うどん、そうめん、ひやむぎ 専用の大腸内視鏡検査食(Amazonなどで購入可能ですが、割高です)
     

要注意の食事
ご飯でも「赤飯・玄米・雑穀米・麦」は繊維が豊富なので
不可です。魚、肉、鶏、ハム、ソーセージなどのタンパク質は柔らかいものを少々なら可ですが、硬い物や量が多い場合、未消化となり残ります。
カレー、シチュー、濃厚なスープ、ハンバーグやステーキのソースの中には煮込んだタマネギなどの野菜が多く含まれていることがあります。
クッキー、パン、カロリーメイトなどでも「食物繊維入り」のものがあります。

絶対に禁止
全ての野菜、全ての果物、ワカメ、海草、キノコ、ヒジキ、コンニャク、寒天、干しぶどう等、豆類、芋類
     

便秘気味の方は・・検査の2〜3日前から、なるべく、野菜・果物・ ワカメ、海草、キノコ、ヒジキ、コンニャクなどは控えるように気をつけてください。

夕食を早めの時間に(18時ごろまでに)極、少量(例:お粥、茶碗1杯分とビスケット数枚)で、お済ませ下さい。ただし、脱水にならないように透明な水分(お茶、ウーロン茶、紅茶、透明なスープなど)は十分に補給して下さい。

就寝前に 前日分のピコスルファート5ml(=約75滴)をコップ1杯の水で飲みます。

ピコスルファート1本=10ccです。また1cc=約15滴です。

その次にマグコロールP50g(小さい袋)を、水500mlに溶かして、お飲み下さい。(濃くて飲みにくいようでしたら水を加えて薄めてください)


検査予定が午前中の方は早めに(予約時間の大体12時間位前を目安に)就寝して下さい

便秘の方は普段飲んでいる下剤も一緒に飲んで下さい。

大抵の方は翌朝(5〜7時間後)には下痢になりますが、個人差があります。2〜3時間で下痢になる方もいれば、翌朝、あまり下痢にならない方もいます。



(3)検査の当日(起床時)
ピコスルファート、小さいビン 1本目の残り全部 をコップ1杯の水で飲み、
その次にマグコロールP50g(小さい袋)を、水1000mlに溶かして飲んでください。




(4)検査予定の5時間前になりましたら・・

まず、ピコスルファート(小さいビン)の2本目の全部をコップ1杯の水で飲みます。


次にモビプレップ(大きい袋の下剤)に水を加えて2リットルにして溶かしてください。
この中にガスコン(錠剤) 2錠を溶かします。ガスコンは溶けにくいので、小さな「すり鉢」などを利用して、よく砕いてから混ぜてください。
これを2時間でお飲み下さい。モビプレップは高調液(濃度が濃い)のため飲んでいると喉が渇きます。
1リットルの水(または、ポカリスエット、お茶、ウーロン茶、紅茶など透明なものなら何でも可です)を追加で飲んでください。
モビプレップと交互に「口直し」に飲むのがいいでしょう。(特に高齢者の方は脱水・低血糖にならないように透明な水分・塩分・糖分を十分に、お取りください。



5―10回ほどトイレに行き、飲み終わり2時間もすると、お腹が落ち着いてきますので、電車にお乗りください。

当日は検査終了まで食事はできませんが、口直しにお茶、ポカリスエット、ウーロン茶、紅茶、飴玉、砂糖、食塩、塩飴などは御自由にどうぞ。(特に高齢者の方は脱水・低血糖にならないように透明な水分・ポカリスエット、塩分・糖分を、十分にお取りください。)

※午前中の検査の方は(3)(4)を連続して飲むことになります。

 以前、下剤で腹痛を起こした経験がある方、前日の下剤で腹痛があり、不安な方は・・・
最初に固形の便を排便するときに腹痛が出ても、以後、腸内の通過がよくなれば、洗浄液を飲んでも腹痛は通常は、もう起きませんが、不安がある場合は、適宜、下剤を減量してください。(もし、それで洗浄が不十分となりましたら、下記の対策をとってください)

便が透明で便器の底が透けて見える状態になれば、前処置は完璧ですが、
透明でないなら・・・
早めに来院して下さい。院内でマグコロールを追加でお飲みいただきます。見落としの無い検査のため、便の透明度に少しでも不安がある方は、躊躇することなく早めに来院して追加で飲むことをお勧めします。

 (注意)全く排便が無いまま(=腸内に宿便が大量にある状態で)「モビプレップ」を飲みますと、お腹が張って苦しくなる(腸閉塞、糞詰まり)を起こすことがあります。便秘ぎみの方は、この点に十分に留意して下さい。「昨日までは排便が順調にあった。昨日、ほとんど食べていないから今日は便が出ない」という状態ならば、問題はありません。慎重にゆっくりと「モビプレップ」を服用してみてください。しかし、飲んでいても排便の兆候が無く、腹痛・吐き気・強い腹部膨満感が見られるならば、飲用を直ちに中止して連絡をいただくか、来院して下さい。

モビプレップは飲みにくいです。また飲み方のコツとして、ゆっくりと味わいながら飲むと飲みにくいので「ゴク、ゴク」と勢いをつけて飲んだ方が飲みやすいです。

モビプレップは、できるだけ短時間で飲んだ方が、洗浄効果が高いです。しかし、吐き気が強い場合は、吐き気が、おさまるまで待ち、ゆっくりと飲んでください。上記のように「吐き気」は体の重要なサイン(警告)です。「吐き気止め」を飲みながら無理に洗浄液を強制的に流し込むと「腸閉塞」の事故が起こると報告されています。

 合併症がある方
糖尿病の治療中の方は・・食事が出来ませんから糖尿病薬を服用すると「低血糖」を起こす危険があります。
痔がある方は・・・・・当日の検査前は痔の軟膏・座薬は使用禁止です(検査の大きな支障になります)

院内で下剤服用を希望される方は・・・・
御自宅のトイレを使用するのが最も快適であり衛生的です。御自宅なら、痔が痛む場合は温浴もできます。しかし院内待合室での下剤服用を希望される方は予め、メール等で御連絡下さい。クリニックのトイレは数が少ないため、患者さんの予約が重ならないように時間を調整します。