胃癌の血液検診(ABC検診)とは・・・
大腸検査の時に鎮静剤を注射する際に採血をしてピロリ菌の有無と「慢性胃炎の程度」の二つを調べます。費用は5千円です。
この検査は胃カメラの代用になるものではありませんが、「バリウム検査と同等の検診効果」があります。現在、多くの検診施設で胃のバリウム検査がABC検診へ切り替えられています
A B C D ピロリ菌 無 有 有 無 慢性胃炎 無 無 有 有 胃癌のリスク ほとんど無い 低い やや高い 非常に高い ピロリ菌除菌による胃癌の予防効果 不要 非常に高い 効果は、あるが高くは無い 低い 推奨される医療 胃癌健診の
必要性は低い
(下記補足参照)ピロリ菌の除菌
(+胃カメラ)ピロリ菌の除菌
+定期的に
胃カメラを受ける定期的に
胃カメラを受ける
この方法は東大にて三木一正博士により開発されました(参考 日本胃癌予知・診断・治療研究機構)
三木先生の御好意で私(鈴木雄久)の名前も、この歴史的論文に載せていただきました
Adv Exp Med Biol. 1995;362:139-43.The clinical application of the serum pepsinogen I and II levels as a mass screening method for gastric cancerMiki K, Ichinose M, Kakei N, Yahagi N, Matsushima M, Tsukada S, Ishihma S, Shimizu Y, Suzuki T, Kurokawa K,
補足 「低リスクグループ(A)の人は胃カメラが必要か?不要か?」については複数の見解があります。
年配の方でしたらA判定が出ても、数年に一度は胃カメラを検診として受けるべきでしょう。理由は検査の「偽陰性」のために誤ってAと判定される方が稀にいること、胃癌以外に食道癌・十二指腸癌の検診も兼ねるからです。
しかし、「A判定の若い方」が、胃カメラが必要か?は見解が分かれます。全ての若い「A判定」の方に胃カメラを勧めるのは「過剰検診」です。(胃のレントゲン検査で被爆させるのは犯罪的とさえ言えます)。一方、若い方の胃癌は頻度は非常に低いのですが悪性度の高い未分化癌が多い傾向があります。最終的には「A判定の方の胃カメラの必要性」は患者さんが自己責任で決めるべき問題ということになります
Aグループの方の胃癌は非常に少ないのですがゼロではありません!
同日の胃カメラについて
院長が全ての検査を施行し大腸検査に重点を置くという方針から現在、胃カメラの予約は「保険適応外(3万円)」のみに制限させていただいております。
「2度、お仕事を休むことは大きな負担になる」という方を対象に「大腸検査とセットでのみ胃カメラをおこなう」という方針としています 。原則として単独での検査はお受けしていません。ご希望の方は大腸.検査の当日に、受付に「胃カメラも希望。費用は了解済み」と言って下さい
胃カメラやエコー(超音波検査)は大腸検査と比較して、多くの施設で受診可能です。特に最近は「鼻からの胃カメラ」が普及し「自治体での胃カメラ検診」も導入されています。胃カメラやエコーは近所の胃腸科の先生にお願いし、大腸検査を当院で受けられるというスタイルをお勧めしています。